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「……………………おはようございます。Aさん。一体何処へ行くおつもりで?」
『私の愛し子の為、私の戸籍を作りに行くのだ』
「
善は急げと言うので、新築の立派な玄関のドアを開け放った彼女
しかしその先には、ドアに備え付けられたノッカーを叩こうとした太宰が、視線の先の光景に目を大きく見開いて驚きで真顔になりながら聞いてきた
「………つまり、我らが
「………それって、身元引受け人とか、保証人とかの話ですか?」
「えぇ。」
太宰は頭をフル回転し、今この状況の収束のための策を講じる
色々言いたいことはあるがまず
「戸籍がなくても、この子の後見人になることはできますよ。というか、それに法的な手続きは必要ありません」
『それは本当かい?!』
「えぇ。」
『それは良かった。なら敦くん、これから先、保証人の欄には全て私の名を書きなさい。』
「え、でも、Aさん苗字は?」
『あっ』
執事と太宰は苦笑で笑い合う
全世界に探される身である彼女が、法的な身分をとることなどできないというのに
『…………最早ここまでか』
「だ、大丈夫ですAさん!何かあったら僕、Aさんを頼りますから!」
『ぬぅ………ならばその言葉を信じよう。それに、君の意見を先程から蔑ろにしてしまっていたね。許して欲しい』
「い、いえ、そんな。僕の事を考えてくれてるのに、嫌がるだなんて有り得ませんから。でも、そこまで気にかけてくださってありがとうございます」
『…………良い子だね、敦くんは。
そのまま大人になりなさい』
「っ、はい!!」
そう言って、まるで実子を慈しむように敦の頭を撫でる彼女の目は、やはり慈愛に満ちていた
静かなる愛の眼差し
それを向けられた敦は、嬉しそうに顔を上気させていた
『さて、感動的なムーヴはここまでとしよう
改めて、おはよう太宰くん。迎えに来てくれて助かった』
「いいえ、麗しの
そう言って、伯爵と探偵は笑いあった
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ニコニコマーク! - ふぅ…敦くん?ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな?代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク! - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…?攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか?スゥーーーーーー、フゥーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね!そうでした!無理のない程度に頑張って下さいね! (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - スゥーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!更新待ってます!頑張って下さい! (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
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