・10 ページ13
『さて、諸君。虎を探すのだろう？折角だから、私も仲間に加えてくれ。ただついて行くだけなのはつまらないからな。
良いだろう？トマス』
「………仕方ありませんね。
深夜まで後30分程
一行は、ヨコハマのとある倉庫に足を向けていた
人喰い虎が出るという倉庫である
「………それで、あの、Aさん。さっきの名前……」
『あぁ、あれだね。いやぁ、すまないな敦くん。我々にも事情があって、本名を隠していたのだよ。
けれど安心して欲しい。決してやましい理由じゃない。君はこれからも、私のことはAと呼び、彼のことはベディヴィエールと呼ぶといい』
「は、はぁ……」
彼に全てを話す訳にはまだいかない
彼が探偵社と一員となれば話は別だが、今はまだその時ではないのだ
「あぁ、そうだ、
『太宰君、君もだよ。私のことはAと呼ぶように。
もう夜だ。マフィアの耳が何処にあるか知れないよ』
「はいはい。承知致しましたよAさん。
それで、一応紹介なんですが……こちらは国木田。我が探偵社の社員です」
「あ"ァ？！」
一見、よくある光景
知り合いに己の知人を紹介する光景であるが、その当たり障りのない会話と、それを含めた先程からの太宰の行動や言動に、国木田は混乱していた
何故なら、普段は飄々としていて掴み所のなく、真面目働かずにあまつさえこちらをイラつかせるような言動しかしないあの唐変木が、彼女に対して寒気がするくらいに普段の行動とはかけ離れた普通且つ誠実な行動をとっているのだから
普段の太宰であれば、自分の同僚を紹介なんてしない
恭しく相手を気遣った言葉遣いなんてしない
国木田の目は、何か有り得ない物を見たかのような目をしていた
『おや、態々ありがとう。
初めまして国木田くん。突然のことで混乱しているだろうが、私のことはAと呼んでくれ。それとこちらはベディヴィエール。仲良くしてやってくれ』
「よろしくお願いします」
「あ、あぁ、えぇ。こちらこそ、お初にお目にかかります。
国木田独歩です。武装探偵社に所属しています」
握手を求められた国木田は、恐る恐る差し出された手を握る
初対面であり女性である彼女だが、今を良い意味でも悪い意味でもときめく彼女を前にすると、あの国木田でも緊張してしまうほどである
彼女が世間に残した爪痕は、まだまだ薄れそうに無さそうだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニコニコマーク！ - ふぅ…敦くん？ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな？代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (
レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク！ - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…？攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか？ｽｩーーーーーー、ﾌｩーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね！そうでした！無理のない程度に頑張って下さいね！ (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - ｽｩーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜！あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！更新待ってます！頑張って下さい！ (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
