全てはここから始まった ページ2
________ヨコハマ 某異能組織
この日、全世界に衝撃が走った
「な…………ッ?!なん、ですって……?!それは確かですか?!」
「は、はい……っ!間違いありません!欧州に潜らせている特務課の諜報員より、その可能性は確実との事……」
「なんてことだ………世界の異能パワーバランスが崩れかける程の大事件……っ、まさかあの《時計塔》が、彼女を手放すなんて……」
欧州の異能力者を統べる《時計塔の従騎士》
近衛騎士長であるデイム・アガサ・クリスティと並び、長年組織を支え続けた才媛
類稀なる美貌と博愛の精神を持ち、頭に詰め込まれた知識とその活用は最早天才的であり、瞬く間に《宰相》の2つ名を轟かせた
その異能力については公にされてはいないものの、異能力者を含む全ての人間の敵となり恐怖になると言わしめる
______ヨコハマ 某探偵社
「……………っ!!」
「ん?社長、どしたの?」
「………不味いことになった。
…………一体何を考えているんだ、彼女は」
「?」
故に彼女の力と権力、そして影響力は計り知れない
様々な異能効力の抑止力として存在していた彼女が、その席を降りた
それが無くなったことによる世界の混乱は避けられない
この剣士は、彼女と同じく均衡を保つ者として、彼女の考えが理解できず、らしくなく頭を抱えることになる
_____ヨコハマ、某マフィア
「…………少々困ったことになってしまったね」
「なによリンタロウ、アナタ散々あの子を引き抜きたがってたじゃない」
「いやー、そりゃあ彼女のような強者が傘下に下ってくれるのはすっごく頼もしいよ??
……でもねぇ、そんな我儘が通される世の中じゃないから、僕も軽口で冗談みたくヘラヘラ言えてたのに……」
彼女の力は《時計塔》に所属して行使するからこそ意味があったのだ
例え今更彼女が他の組織に入って再び力を振るおうとも、以前と同じ結果を生むことは難しいだろう
彼女は自分を正しく見極め、自分の使い方を正しく理解していた筈だ
役割を放棄した世界で、何が起こるかは容易に想像できただろうに
「………………伯爵。貴女は、この世界に見切りをつけた………ということでは無いだろうね
貴女が居なくなった世界の、平和と均衡はどうなる」
『この先の、私たちの先を生きる若者達が背負う未来に、私が座る椅子がないだけの話さ』
自嘲とも言えるその言葉を告げるその女の顔と声音は、何よりも清々しく透き通っていた
266人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニコニコマーク! - ふぅ…敦くん?ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな?代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク! - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…?攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか?スゥーーーーーー、フゥーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね!そうでした!無理のない程度に頑張って下さいね! (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - スゥーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!更新待ってます!頑張って下さい! (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ