寝込み (ページ3)

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kym side

ペア撮影の相手は北斗だった

不仲の俺達はファンの間で人気がありペアになることが増えてきたが距離感は変わることは無くて言葉を交わすのも1.2回程度だ

　

好きな人とペアになれて嬉しいと思う人が多いと思うけど正直俺は北斗とペアなのが嫌と言ったら最低だけどあまりなりたくない

ファンが喜ぶからと言って至近距離での撮影が殆どなので常に心臓がドキドキしている状態だ

それに今日は特に顔が近くて先程したキスの感覚を思い出して口元が緩みそうになるが平静を装う

「はい！オッケーです！」

スタッフさんにそう言われ「ありがとうございました」と挨拶をして早々と北斗から距離を取り撮影待ちのメンバーが待機している場所に行く

高地の隣に座り「ドキドキした」と小声で言えば「お疲れ様」と言って優しく笑いかけてくれる

北斗に対する俺の気持ちを唯一知っている存在

高地優吾。

　

本当は誰にも打ち明けずにいようと思っていたが偶々北斗にキスをしているところを見られてしまい暴露せざるを得なかった

その話を聞いた高地は「だからあの時避けてたのか」と納得するだけで軽蔑したりしなかった

その事に酷く安心して泣いてしまったのは恥ずかしい話だ

　

「こ～ち、次俺らだぞ～」

「あ、そうじゃん！」

樹と高地ペアの撮影が開始された