36-40 zm side ページ5
携帯していたナイフを取り出す
……殺してなんかやらない
せいぜい苦しめ
嬉々とした表情を浮かべ、ナイフを振り上げ、急所を避けて思いっきり突き刺す
｢ごは…っ｣
突然の衝撃に目を見開き、吐血した吸血鬼を眺めながらナイフを引き抜いた
｢っぎゃあああああああ｣
そのまま斜めに切り裂き、バックステップで後ろに下がる
背中からは大量の血が流血している
吸血鬼はふらつきながらも、こちらを向きどこからか取り出したナイフを構えた
全身から溢れ出る殺気をこちらを向けるその姿に感情が高揚するのを感じた
＿＿＿膠着状態の刹那。
にやり、と薄気味悪い微笑みを浮かべたゾムは一瞬の隙を突き相手の懐に潜り込む
｢…なぁ、お前
なんでここに居るんだ。人間界にいるとか有り得ねぇだろ｣
その言葉と共にナイフの柄でみぞおちを穿つ
｢…がは……っ｣
ゾムの速度に反応できなかった吸血鬼は防御する暇もなく、まともに攻撃をくらった
その衝撃で後ろに吹っ飛ぶ
それに追い打ちをかけるようにナイフを投擲する
間一髪の所で避け、耳を引き裂くような悲鳴をあげながらやみくもに突っ込んできた
吸血鬼が振るうナイフの切っ先がゾムの鼻先をかすめる
間近で見た瞳は血よりも紅く染まり、人間に対する憎悪、食事を邪魔したやつへの嫌悪感を剥き出しにしていた
ゾムは隠し持っていた煙幕を地面に叩きつけ、姿をくらませる
その混乱に乗じて吸血鬼の裏を取り渾身の蹴りを放つ
だが、よほど気配探知が上手いのか、顔面に放ったはずの蹴りは当たらない
｢……くそがっ｣
蹴りが空振り、空中を舞っているゾムが体制を立て直そうとした瞬間、もう1人の人影が吸血鬼の足を切り裂く
その衝撃に悲鳴とも絶叫とも似つかない声を上げ、その場に崩れ落ちた
｢…これで立ってらんないやろ｣
冷ややかな目で吸血鬼を見下ろすコネシマ
｢助かった。あの人は？｣
タイミングを見計らって上手く救出したのだろう。
｢意識失っとるけど止血したから大丈夫｣
そういいながらゾムのナイフを拾い、手渡す
｢お、さんきゅ｣
｢…こいつ殺さへんの？｣
とどめを刺さない事に不満げなコネシマが俺を睨む
殺してもええんやけど…
｢ちょっと聞きたい事あんねん｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クレナ - 分かりました！ (2021年10月3日 22時) (
レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» 更新自体は私情が落ち着いたらしようと思っております。ご迷惑お掛けして大変申し訳ございません💦 (2021年10月2日 6時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - だ…大丈夫ですか？更新はまだすると言うことですか？ゆっくりでいいのでsalaさんを待ってます (2021年10月1日 6時) (レス) @page1 id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
クレナ - 分かりました！ (2021年9月11日 14時) (レス) id: c2d20227cd (このIDを非表示/違反報告)
sala(プロフ) - クレナさん» 短編も書きたいなぁって思ってるので、推しカプ･シチュ等リクエストして下さると嬉しいです！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 6774b94e1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sala | 作成日時：2021年9月11日 0時
