部員達が過保護過ぎて仕事させてくれない[青葉城西] (ページ22)

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過保護/20 ページ22

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「おじゃましま〜す」

引き気味で挨拶をするとドアの開く音で自分に視線が集まる、赤葦くんと目が合うと「おいで」と口パクで言いながら手招きしてくれた

「青葉城西高校マネージャー2年の白石Aです」

ぺこりと一礼すると皆も高校、学年、名前を紹介してくれた

「じゃあAちゃんも来てくれたことだしやるか」

黒尾さんがそういうと木兎さんが大きくジャンプしながら「俺だけ大きく多めに撮って！」なんて言ってくる

スっとタブレットを持って自主練の風景を撮影すると何故か懐かしいく思えてくる

「月島くんって、ドシャットがしたいの？」

私の素朴な疑問に対して全員がこっちを向く、月島くんは少し悩みながらも「まあそうかな」と濁しながら言った

「じゃあブロック飛ぶの少し早いよ、木兎さんレベルのスパイカーになると空中姿勢がいいから空中戦になった時先に落ちるのはブロックなの、動画見てもらったら分かるんだけど月島くんは木兎さんが撃つ前に落ちてるから今のままだとワンタッチは出来てもドシャットは…って、ごめんそんなの本人が1番わかってるよね黙ります」

私に指摘されたのが余程嫌だったのか微妙な顔をする月島くんと口を開けて唖然としている黒尾さん、何とも言えない空気が漂う中それを破ったのは

「Aちゃんバレーやってたの？マネージャーの知識？」

木兎さん
首を傾げながら質問してきた

「小学生から中学1年の冬までやってました」

「なんで1年まで？」

「あー、試合中に靭帯損傷しちゃって。でも北一の1年生エースだったんですよ！」

木兎さんの質問に笑顔を取り繕って1年生レギュラーだとドヤ顔で返して、時間もあんまりないので練習しましょう！と話を流した

全国の切符をかけた決勝の試合
1セット取ったあとの2セット目

15-11

北一がリードしている時に膝崩れが起きた、一瞬何が起きたか分からなかったけど痛みは無くて筋肉が体に追いついてないんだろうと思ってた

けどその後私は１回も飛べなかった

念の為病院に連れていかれると時間と共にやってくる強い痛みに我慢出来ずポロポロと泣き叫ぶ

膝前十字靭帯損傷

その診断が出るのに時間は掛からなくて、急いで会場に戻った時には決勝戦が終わっていた

結果は負けだった
私は脚のリハビリに中2の1年間を費やした

青城の部員が過保護なのはこれが理由だと思う

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