過保護/16 ページ18
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「わっ！Aちゃん指切れてるよ！！？」
雀田さんに声を掛けてもらった数秒後、正気に戻り自分の手元を見てみると傷からジワジワと溢れ出てくる赤い液体
少しだけピリッとするけれどまだそんなに痛くない
「ごめんね、もしかして無理させちゃった？料理が苦手ならあそこでおにぎり食べてる人みたいにしてても大丈夫だよ！」
「すみません、知り合いの名前だなぁと思って…少し余所見しました…」
気を使ってくれて居るのか私が邪魔だと感じたのか否かは分からないけれど迷惑を掛けてしまった自分に少し腹が立った
けれど“影山”という名前が頭から離れない
─────────
中学でもバレー部のマネージャーをしていた私だが別に名高い敏腕マネージャーでも人一倍空気が読めるわけでもなかった
けれど選手内の問題は解決したい
という気持ちが走ってしまい私が引退する際に飛雄に声を掛けた
『飛雄が頑張ってるのは知ってるけど、もう少し相手の気持ちとかを…』
『アンタに俺の何が分かるって言うんだよ！』
その言葉は中学の私からすると凄く重くて怖かった『言ってはいけないことを言ってしまった』と自分ばかりを責めて、飛雄とは引退してから卒業するまであれ以来会話を交える事は無かった
───
あの日の事が理由で高校に上がってからマネージャーはしないって思ってたんだけど及川さんに絶対惚れない自信がある身近な人Aしかいないって岩泉先輩に頼まれて、
断れなかったなぁ…
逃げてしまった事や色々なことを謝りたい
そんなことを考えながらも今度は気をつけようと手を進めた
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