過保護/14 ページ16
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一通りの挨拶も終え全体がアップに集中してるのを見て何故かとてもワクワクした
高校のマネになって初の練習試合だからか私は謎の緊張感と体育館にいる皆の気迫に好奇心を隠せずにいた
中学の時はこんなアットホームな雰囲気で居れなかったからなぁ
「ちわッス！！！！！」
バンッと勢いよくドアの開く音に私を含め体育館にいる人達が一斉に肩を揺らす
大きな声で挨拶をしている黒のジャージを着た少年見ると他の部員に怒られている様だった
「うわ……きたよ烏野」
黒いジャージの人達は烏野高校さんらしい
そういえば春頃に練習試合で負かされたって監督に聞いた気がするけど
そのせいか否か、今まででダラダラとやっていた皆に火がついたようで
サーブの勢いが一気に強くなった気がした。
当ったら死ぬと思う。
「おい龍！！青城に可愛い女の子がいるぞ！！？」
「嘘だろ！？この間は居なかったぞあんな可愛い子！！？」
ダンっと音を立てて勢いよく跳ねるボールを眺めてると
こちらを見ながらヒソヒソと話している格好には見合わず私に聞こえるくらい大きめの声で話している2人
その声を聞いてかこちらに駆け寄ってくる国見くん
またいつもの感じかなと思い国見くんの目を見るとバッチリ目が合った
いつもと違う雰囲気の国見くんに少しドキッとしたのは気のせいだと思う
「指にテーピング巻いてもらっていいですか？」
「え？あ、うん。ちょっと待ってね」
また過保護な事言いに来たのかと思ったら普通にマネジの仕事を頼んでくる国見くんに驚き素頓狂な声が出て少し恥ずかしい
「どこ巻く？」
「右の薬指お願いします」
突き指かな？と少し赤くなった国見くんの指にテーピングを巻きながら考える
及川さんとは違って細くて白くて、綺麗な指
けど大きくて少し冷たいから暑い夏に握るとひんやりしていて気持ちよかった
チラッと国見くんの方を見ると俯いてて確かとは言えないけれど心なしか顔が赤い気がする
「あの」
「どうしたの？あ、テーピング巻けたよ」
「俺もA先輩のこと可愛いって思ってるから他の人に目移りしないでくださいね…あとテーピングありがとうございます」
そう言って駆け足で練習に戻る国見くんを見つめることしか出来なかった
顔あっつ……
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