23話 ページ24
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あのあと、ドライブをして一緒にラーメンを食べて、久々に実家でゆっくり寝て日本に戻ってきたことを実感した。
シュウさんの話をするとじんぺーくんは、お前が悲しむくらいなら別れるべきだ、と言っていた。
背中を押してもらった。
これはじんぺーくんに何か奢らないと、なんて考えながら電話帳から“シュウさん”をタップする。
今は朝の朝の9時。
向こうは夜だけどまだ起きているはずだ。
心を決めて電話マークを押すと1コールで出る彼。
『連絡を待っていた。無事に着いたのか。』
「うん、着きました。」
いきなり昨日の話をする勇気も無くて、テキトーに昨日のことを話す。
『久々の日本を満喫出来たようで何よりだ。
それで?そんなことを伝えたくて俺に電話をした訳ではないだろう。』
鋭い彼が気づかないわけない。
だから彼は何も言わずに電話を終えることだって出来た。
それでも私がこれ以上苦しまないように促してくれる。
彼のこういう大人で優しい部分が大好き。
この気持ちは今でもこれからも変わらない。
だけど、そんな彼を応援出来ない私は彼に似合わない。
きっとお互い幸せになれない。
「シュウさん」
『ああ』
「私たち別れましょう」
『...A』
「っ、あなたを応援出来ない私は隣にいられません。
ごめんなさい折角伝えてくれたのにっ、応えられず本当にごめんなさい。
シュウさんは私なんかに縛られずに自分の夢を叶えてくださいっ…」
『もう謝るな。伝えてくれてありがとう。
…愛している、A。』
「うん、私も大好き…ありがとうございましたっ」
ツー…ツー…ツー
良い恋だった。
10年後、20年後そうやって言えるよう前を向こう。
そう考えて彼からもらった花は母親にプレゼント。
指輪はタンスの奥にしまった。
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シュウさんside
無機質な音を鳴らす携帯電話を机の上に置いて迷わずベランダに向かう。
マッチで火をおこして煙草に灯す。
フゥーー
ふと室内を見渡すと大きな喪失感に駆られた。
室内で煙草を吸わなくなったり、バスタオルを2枚用意したり、彼女が入れたコーヒーを朝から飲んだり、家で待っている、という連絡を見てはやく仕事を終わらせる日々はもう来ないのだろうか。
俺は何度も彼女を思い出し、彼女との記憶に振り回され、忘れられないだろう。
なんて考え、先日買ったばかりの指輪にキスをした。
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時