22話 ページ23
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結局心を切り替えられないまま彼と別れて飛行機に乗った。
今はもう空の上だ。
涙が流れると同時に冷静になれてしまって、今きっと私の心を満たすことが出来るのも彼しかいないのだとひしひしと感じる。
『君のことを愛しているから伝えたんだ。
わがままを言っていることは承知している。
だがお前に何度拒絶されようがお前に男が出来ようが俺は必ず迎えに行く。
俺にチャンスをくれはしないか。君を縛らせてくれ。』
あの話を聞いた時点できっと私たちは長く続かない。
続けても、きっと私の心が壊れてしまう。
けど、彼はそこまでわかった上で私にああ言ったんだと思う。
本当にずるい。
悔しい。苦しい。悔しい。
私がまだ向こうにいたらもう少し信頼関係も築けてたの?
私があと少し大人だったら彼のことを受け入れて、大人しく待てたの?
言えないような関係しか築けなかったの?
もう、心がぐちゃぐちゃ。
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なんてグルグルと考えているうちに泣き疲れて眠ってしまったんだろう。起きたらもう東京だった。
久々の景色や空気。そこらじゅうから聞こえる日本語。
予定通りの時間に到着して、迎えに来てくれると連絡があった幼馴染みを待つ。
彼を忘れさせてくれるかな。
こんなふうに使っちゃダメなんだけど、今日くらい甘やかして欲しい。
『やっと帰ってきたな』
懐かしい声がする。彼氏が出来てからあまり連絡を取れなかった彼。
『おかえり』
「ただいま、じんぺーくん」
わざわざ届け出をして迎えに来てくれた。
さらっと重たい方の荷物を持って左側を歩くじんぺーくん。
なんか、おっきくなったなあ。
「ちょっとごつくなった?」
なんて聞くと
『言ってなかったか?俺警察学校に入ったんだよ、ハギも一緒。』
「…え……警察?」
『そうそう、おもしれえヤツらがいてさ』
なんて楽しそうに話すじんぺーくん。
私の周りの人達はみんな命懸けの職業に就こうとする。
きっと、日本だから向こうより安全だって自分を言い聞かせるけど、不安でしょうがない。
彼にそんなこと言えなくて、必死に会話をする。
「へえ、これが同期の人かあ。わ、この人かっこいい。ていうかじんぺーくんと金髪の人笑いなよ。そんで1番大きい人はお父さんみたい。
…研二くんは安定のチャラさ。髪が邪魔そうだね。」
『おー言っとくわ』
「それは無しでしょ!!」
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そば粉(プロフ) - ヨザクラさん» ありがとうございます!!これからもソワソワしていただけるように書いていきます!警察学校組登場まであと少しお待ちください! (2022年6月3日 8時) (レス) @page18 id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
ヨザクラ(プロフ) - とても面白いです!続きが気になってソワソワします!全員にフラグ立ってーーー!!!頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年6月2日 9時) (レス) @page14 id: f4c5d262a2 (このIDを非表示/違反報告)
そば粉(プロフ) - ひええそんなこと言ってくださる柑橘類様尊すぎませんか(?)ありがとうございます!!そのお言葉がモチベーションになります!!! (2022年5月31日 0時) (レス) id: 16cd9ffa67 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - えっ尊いですね(?) 応援します! (2022年5月29日 19時) (レス) @page6 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年5月27日 11時