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次の晩もゴーシュは夜通しセロを弾いて明方近く思わずつかれて楽譜をもったままうとうとしていますとまた誰たれか扉とをこつこつと叩くものがあります。
それもまるで聞えるか聞えないかの位でしたが毎晩のことなのでゴーシュはすぐ聞きつけて「おはいり。」と云いました。
すると戸のすきまからはいって来たのは一ぴきの野ねずみでした。
そして大へんちいさなこどもをつれてちょろちょろとゴーシュの前へ歩いてきました。
そのまた野ねずみのこどもときたらまるでけしごむのくらいしかないのでゴーシュはおもわずわらいました。
すると野ねずみは何をわらわれたろうというようにきょろきょろしながらゴーシュの前に来て、青い栗くりの実を一つぶ前においてちゃんとおじぎをして云いました。
宮沢賢治 「セロ弾きのゴーシュ」
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作者名:作者 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2023年7月14日 14時