【歌い手】ようこそ、夜想曲サーカスへ。【CIRCUS】

story12. ページ13

「あ、遅かったじゃんAー！」



しばらく俯いて歩いていると、いつの間にかホームから出ていたようで
そこには招待状の役の人がもう全員揃っていた。
松下ちゃんの明るめの声は、心臓バクバクいってる私にとって少しありがたかった。





『あ、ごめん』

「ほら、早く行くよ。遅れるで」





りょーくんが一言いってから、歩き出した。
それの後を追って、私達もサーカスステージに向かう。
ステージは、ここから１０分くらい歩いた先にある。

早めに歩けば、およそ５分程度で着くけど。




「Aさん、何歌うんですか？」

『人柱アリスだよ』

「へー！俺は影踏みエトランゼです」




びすの影踏みエトランゼ、確かにかっこいいし合ってるかも。






『灯油さんは？』

「あー……カーニバルとか」

『いいですね！りょーくんは？』

「俺は独りんぼエンヴィーかな」




灯油さんのもりょーくんのも雰囲気に合っていて、選曲上手だなって思う。
このサーカスの中にいたのは私の方が時間的に長いけど、
サーカスで芸をやっている時間は２人の方が長いから
当たり前と言えば、そうなんだけど。




「松下は？」

「えっと、一方通行！」



りょーくんが、まだ聞いていなかったって事で松下ちゃんに振った。
すると、松下ちゃんの口から驚くべき返答が。
あれ、さっきは一方通行じゃなかったはずなんだけど……。




『さっきBlackJackって言ってなかったっけ？』

「まー、被ってないしいいんじゃない？」

『別にいいけどさ』





松下ちゃんの言う通り、確かに被っているわけじゃないし。
でも、急に替えられたらびっくりするってもんだよね。



それから他愛のない話をしていると、
すぐにサーカスステージに着いた。

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