story10. ページ11
「もう8:10ですし、戻りましょっか」
『うぇ、もうそんな時間なの?』
結局、あんまり寝ることができなかった。
ていうか、散歩だけで30分も使うと思っていなかったのに。
帰ってきたらまた寝ればいいかー、なんて思っていた30分ほど前の私め。
ちょっとだけ恨んでやるし。
「やっぱ、嫌でした?俺と散歩なんて……」
『ううん、びすは私のことを心配してくれてたんだし。全然大丈夫』
最初は面倒だったけど、観客のことを教えてくれたんだったらびすは悪くない。
それに元々、びすと散歩するのが嫌だったわけではないし。
誤解させてしまったのなら悪いと思い、せめてもの精一杯の笑顔で返事をする。
…………少しばかり、びすの顔が赤くなったのは気のせいだろうか。
「……なら、良かったです」
少し目を見つめていると、不意にぱっと逸らされてしまった。
照れたのかな、可愛い所もあるんじゃん。
初めて見たびすの一面に満足しながら、ホームへと戻った。
――――――――――――――――――――――――――
「あー!Aいた!!」
ホームに戻ると、中はバタバタと騒がしかった。
私を探していたらしい天月君は、私の方を指さして大声を出した。
天月君は、グレーのサロペットにストライプのシャツ。
それに赤いリボンを掛けて、頬には月のマークが描いてあった。
そっか、もう準備しなくちゃいけないか。
「A、歌詞さんが探してたよ?」
『あー、うん。そっか。うん。これは怒られるな……』
歌詞さんが怒るのって、ナノさんと同じくらい怖いのに。
どうしよう。でも、遅れたのは私が悪いんだし、腹くくるしかないかな。
そんな事を考えていると、奥の部屋から誰かが出てきた。
「あ、Aいた」
『りぶさん!!歌詞さんじゃなくて良かった!!』
出てきたのはりぶさんで、どうやら最恐の歌詞さんではないようだ。
2人とも同じくらい身長が高いから、多分影だけじゃ分からないくらいだと思う。
だからすごく不安だったけど、温厚なりぶさんならひとまず安心。
「あ、A、それ言っちゃ……」
「誰じゃなくて良かったって?」
『……』
すると、りぶさんの後ろから………歌詞さんが出てきた。
りぶさん、歌詞さんもいるならそうと早く言ってください。
私の命が危機にさらされる……!
「はいはい、逃げないの。早く着替えるよ」
こうして、私は連れていかれてしまった。
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作楽 - 面白いです・・・!続き、楽しみに待ってます!! (2015年1月18日 15時) (レス) id: 3feb68ee3f (このIDを非表示/違反報告)
みーや(プロフ) - 灰猫ノン@ETA静岡1101参戦!!さん» すみません!確認不足でした! (2014年10月19日 0時) (レス) id: 133eb42d85 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫ノン@ETA静岡1101参戦!!(プロフ) - みーやさん» えっと、灯油さんは出させていただいているので……優さんも、という事ですかね?了解です!! (2014年10月19日 0時) (レス) id: 1fdc1852b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーや(プロフ) - あの、葉月兄妹って出せますか?(葉月 優、灯油) (2014年10月19日 0時) (レス) id: 133eb42d85 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫ノン@ETA静岡1101参戦!!(プロフ) - かふぇさん» コメありがとうございます!更新頑張ります!! (2014年10月13日 22時) (レス) id: 1fdc1852b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灰猫ノン | 作成日時:2014年10月12日 1時