【魔法少女は星に詠う】そんなことより暖かいお茶が飲みたい。 (ページ2)

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２章。悲しいほど。ページ2

『ァ……アグ…ゥ…』

バケモノは形を変えたかと思うと、ルムジムから両手を離し、数歩下がった。

「「打ち上げ花火。行くよ。」」

可愛らしい鈴のような声と低く、それにて優しい声が重なり合う。

それから数秒後、きらきらと花火が打ち上がるように、バケモノは浄化されていった。

「おんしら…いつも本当にありがとうな。」

自分の手前に来た青と赤の光にそっとランプを近づける。

「めんどくさいけど…まぁ。必要とするならいつでも呼んで。」

少年の声と。

「なっ…！ぁ…！！ば、ばかじゃないの…！あんたのためじゃないんだから！！」

少女の声。

残念ながら、二人とももうとうの昔に命を亡くしており、身体はないが、こうして魂だけが浮遊している状態である。

「…ところで、鵺さ。ここの名前覚えたの？明日から学校だよね…？」

少年のその声で岩のように固まったルムジム。

「…もう…触れるでない…。」

虫の声のような小ささのその声。よっぽど自信がないのだろう。

「何言ってるのよ。鵺が学校とか行くわけないじゃない。」

少女のその精神的ダメージの行くその言葉は見事にルムジムの心に刺さった。

「え、ええい！！もう知らぬわ！！勝手に言っておれ！！」

やけになったようにぶんっと両手を上に上げた。

それと同時にランプの中の炎も揺れ、きらきらと輝いた。

「さて、家に帰って茶でも飲むとするかの。おんしらもいるかえ？」

「「いや、私/俺飲めないよ。霊体舐めんな」」

「嗚呼、すまん。じゃあお神酒でもお供えしておこうかの。」