【wrwrd】あまのじゃく【cn】 (ページ12)

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「どういうつもり？」
「何が？」
「最初に無視したのはそっちでしょ」
「そうやった？」

軽く睨んでみてものらりくらりとかわされてしまう。

「なんで来たん？」
「なんでって…父さんがギックリ腰やっちゃって」
「おばさんが来ればええやん」
「母さんは父さんの看病があるし、力がないから荷物を運べないの」

そう言ってもなぜかチーノは納得しないらしく、少し口を尖らせている。
あぁ、そっか。

「……そんなに私に会いたくなかったの？」

私の言葉にチーノは立ち止まった。

「手紙だって1回も返事くれなかったし、休みには帰ってくるって言ったのに帰ってこなかった」
「………」
「幹部になったのだって、知らなかった」
「…それは、」
「どんどん、遠い人になっちゃう」

「A…」と伸ばされた手を受け入れることは出来なかった。
スっと、後ろに下がると空を切るチーノの手。

「チーノ様、お見送り頂きありがとうございました」
「…なんで、そんな言い方するん？」
「幹部様ですから」
「A、俺は…」

チーノ奪うように手綱を受け取ると、馬に跨り腹を蹴る。

「もう二度と来ないからな！あほチーノ！！」

子供みたいな捨て台詞を吐いて、城から飛び出した。
そんな私をチーノがどんな顔で見送っていたかなんて、知らない。