第36話 ページ38
さて、これは一体どういうことだろうか。
「母さん、連れてきたよ」
「まあまあ、この方がイルミの！」
イルミのなんでもないんですけど、私。
にっこり笑みを作りながら、思わず突っ込みたくなった。
現実逃避をしていたのが悪かったのか。
諦めて黙って彼の後をついていくと、案内されたのはククルーマウンテンの観光スポットでもある、ゾルディック家のお屋敷。
「試しの門。開けてみて」
そう言われた通りに硬い壁に手をついて力を入れると、開いたのは2の扉。
…え？2？弱すぎん？
「…ちょっと、本気でやってる？」
『本気ですけど…あれぇ…？』
いや、こちらにも5年間ハンターとして活躍してきたプライドというものがある。
もう一度踏ん張って力を入れた。が、3の扉は開きそうもない。
「うん、ダメ。もういいよ」
『あっ…はい…』
早々に見切りをつけられた。なんか悲しい。
念を知らなかったキルアですら3の扉を開けたというのに。
いくら強化系から離れた特質系であるといっても、これは酷い。
鍛えてはいるのだが筋肉があまりつかないのだからどうしようもないだろうと不貞腐れそうになった。
しかしそもそも何故試されなければいけないのか。
そう聞くと、え？と聞き返された。
「俺と結婚するんならそれなりの実力がないとでしょ？」
『は？』
「あれ、言ってなかったっけ」
表情も変えずにとんでもない爆弾発言をした男は首を傾げる。
あまりのことに、言ってないも何も…と困惑してしまった。
「いい相手はいないのかって母さんが煩いんだよね」
暗殺一家といえど、一般家庭と同じような会話をするものなんだな。
とはいえイルミは私と同じく19歳な筈だけど。
まだ早いんじゃないんですかね、奥様…。
『私、結婚は嫌です』
「安心してよ、仮面夫婦でいいから」
『えぇ…いやだ…』
丁重にお断りすると、しょうがないなと頷く。
「操るしかないか」
『わー喜んで結婚します』
「そうしてもらえると楽でいいや」
針を出すのは卑怯ではないか。
仮面夫婦と言っているし、針で廃人になるよりかはマシだ。
山道を通っていくと、豪邸が見えてきた。
入口には一人の女性が立っている。
「母さん、連れてきたよ」
「まあまあ、この方がイルミの！」
興奮した様子の女性はイルミのお母さん…キキョウさんだ。
「あらいけない！さ、中にお入りになって」
逃げ道はなさそうである。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
