第32話 ページ34
「お主、さては"ニホン人"じゃろ」
さらりと言葉を言い放った目の前のネテロ会長の顔を思わず見上げた。
ハンター試験も終盤、ネテロ会長が1人ずつ話を聞く時間が設けられた。
入って良いぞ〜、という緊張感の無い声に従い個室に入ると、座布団の上で正座をしてお茶を啜る会長の姿。
冒頭の台詞を告げられたのは、何故ハンターになりたいのか、試験はどうかなどの質問に答えた後のことだった。
『…ニホン人、って？』
「誤魔化さんくてもよいよい。誰彼無しにばらしたりはせんわ」
そう言って、ほっほっほっと朗らかに笑う。
脅す気はない、悪いようにする訳では無い、と態度で示しているように見えた。
これ以上誤魔化すのも無理そうだ。それに、会長なら大丈夫だとも思える。
一息吐いて、改めてネテロ会長に向き合う。
『どうして私が日本人だと分かったんですか？』
「なに、かつての知り合いがそうだったんでな。異世界人は雰囲気でワシ等とは違うとすぐに分かる」
私よりも前に来た日本人と知り合いだったようだ。
『日本人についてなにか情報はお持ちですか』
「いんや、詳しいことは分かっておらん。あいつの推測なら話は聞いたがの」
あいつ、とは恐らく日本人の知り合いのことだろう。
曰く、念というものがない異世界にいながら、何かしらの原因で念を覚醒させてしまう人がいる。しかし、それでは異常が発生する。
その為、そういう人々をこの世界に転移させる。
そして、念が使えない状態に変えてからでないと元の世界に帰れないようにしている、と。
確かに、私が今考えている方法…《蝿の女王》を発動して帰るには、自身が念を使えなくなるほどオーラを消費させる必要がある。
簡潔にいうと、
"念が使える人間がいると困るから違う世界へ行って念が消えるまで帰ってくるな"
ということだ。
「ワシが知っているのはそれだけじゃ。すまんの」
『いえ、助かります』
異世界についての本は色々出版されているが、どれも信憑性が薄かった。
その点、今の話は異世界人自身が語ったもの。ありがたい情報だ。
下がってよいと言われ、部屋を退出した。
＿＿＿＿＿
ハンターライセンス、取れました。
賞金首ハンターになりました。
『こんなあっさり？』
手元にあるライセンスカードを見て呟く。
目の前にはこじんまりと建っている小屋がある。調べた結果が正しければ、ここが仕事の斡旋場な筈だ。
初仕事に少しドキドキしながら、扉を開けた。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
