第14話 ページ15
なんだかんだで上手くいっていたと思う。
皆との仲は良好であったし、鈍臭いとは言われているが、戦闘能力は鍛えられて向上したと皆認めてくれている。
まだまだだけどね、とも言われているが。
とにかく劣悪な環境で、いつ死んでもおかしくないような場所で、ささやかな平和を感じるくらいには上手くいっていた。
だから油断していたのだ。
ここ数日は食にありつけなかった。
流星街周辺を襲った大雨やら寒波やらのせいなのか、とにかく食料が少ない。飢えて死んでいく住民達も増えている。苦しむのは勿論私達も例外ではなかった。
夜中にどうしてもお腹が空いて目が覚めた。また眠れそうにもない。
"希望は薄いが何か食べるものがあるかもしれない。探しに行こう"
そんな軽率な考えで皆から離れた。
飢えている人間がうろつく街では、悪い治安が更に悪くなっていることくらい、分かっていたというのに。
『んむっ！？んん！！』
「ちっ、ガキか…しかも食料なし。ハズレだな」
突如背後に気配がした。大きな手が私の口を塞ぎ、体を押さえつけられる。
なんとか暴れて拘束を解こうとするが、男の人の力に適うわけもない。
「まぁいい。ガキでも女なら穴はあんだろ？」
その一言で、何をするつもりなのかを理解した。
よくもまぁこんな貧相な身なりの子供にそんな欲を持てるなと感心しながら、これはまずいという焦りもあった。
『んんーっ！！』
「はいはい、無駄な抵抗はやめて黙っとけよ」
"やめろ"だとか"助けて"だとか言いたくても、抑えられた口からは言葉は出ない。なんとかしなくては。
私の服を脱がそうとする時に拘束が緩んだのを感じ、男の顎を蹴り上げた。男が呻き声をあげ、私から手を離した。
逃げなければと急いで立ち上がろうとする。
「こんの、糞ガキが！」
青筋を立てて怒りを顕にする男は私の足首を掴み、力を入れた。嫌な予感にひやりと汗が背中を伝う。
『や…っ、ぁ"あ"ッ！！』
バキッ。
何かが折れる音と共に、激痛が走った。
何が折れたかなんて考えずともわかる。きっと、私の足首。
男はざまぁねぇなと嘲笑いながら、地面に這いつくばった私を何度も何度も踏みつける。痛みに蹲まっても、男は止まらない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 737人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
