【H×H】欲とは恐ろしいもので。【トリップ】

＊第13話 ページ14

目に映るのは、まだ服を身につけていないA。ノーガードなため、体ははっきりと見えた。

体を拭き終え、服を手に取り腕を袖に通していく。まだ気付く様子はない。その無防備さに大丈夫かと少し呆れはするが、こっちとしては好都合だ。

着替え終わるというところで、バチッと目が合った。

『ぁ、え…』

さて、どう言い訳するか。まずはAの反応が先だ。
そう思ったが、彼女は顔を赤らめ黙ったまま視線をうろつかせている。様子が変だ。怒ったのか？

てっきり"なんで見てるの！？"などと慌てふためくと思っていたが。

沈黙が続き、ようやく口を開いた。

『…へんたい』

そう言って、顔を赤らめ照れながらも、揶揄う様に目を細める。笑みを浮かべた後に、走り去っていった。

「…………は？」

いつもの子供滲みた言動とは違った、"女性"を感じさせるような…。呆気を取られるとはこのことか。

「…あー…」

どうやら俺はAを舐めていたらしい。大きく予想を裏切ってきたものだ。

俺としたことが、言いくるめることも忘れていた。おそらくマチとパクにはこのことが伝わるだろうから、後でお叱りを受けることになりそうだ。

「くっそ、やられた」

勝負でもなんでもないが負けた気分だった。
髪をくしゃくしゃとやりながら頭を掻いて、とりあえず処理するしかないなと自身の下半身に目を向ける。


せめて妄想の中ではあいつをぐちゃぐちゃにしてやろうと決めた。

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