シンデレラコンプレックス -Ryosuke.Y-

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裕翔と行ってきな


そう言ったユキは名案！とでも言うように満足気だった。


...いやいやいや。


A「ちょ、ちょっと待って。」

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掃除道具を片付けながらユキは振り返る。


ユキ「なに？」


A「な、なんでゆうくん？」


幼馴染ではあるけど、ふたりで夏祭りなんて行ったことないし。

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ユキ「だって好きなんでしょ？」


A「...。」


好き？と聞かれれば、好きではあるけど。


俗に言う恋愛感情の好きなのかは未だ解明されてはないし。

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ユキ「裕翔だってAのこと嫌いじゃないと思うよ。

まあむしろ好きだと言っても過言ではない。」


ぎゅ、っと箒の柄を握りしめていたら、ほら、とユキに奪われた。


A「でも...、」


誘うの？私が？

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なんて考えていたら、掃除の時間を終えるチャイムが鳴った。


教室に戻ったら、先生が成績表を持っていた。


ああ、思った通りの数字だな、と思いながらファイルに挟んで鞄の中にしまう。


午前中で終わった夏休み前最後の学校。

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ユキと遊ぶ約束を前々からしていたので、そのまま学校を出た。


最近人気のかき氷店へ入った。


ザク、とかき氷のスプーンを刺したユキがじっと私を見る。


A「...いや、やっぱむり。」

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ユキ「じゃあ私は言ってあげようか？」


A「それはもっと困る！」


ユキ「なんでよ。」


開いたままのLINEのトーク画面に打っては消してを繰り返していた。

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いつもなんてことない話をしているんだからどうってことない、と思ってるんだろうけど。


ユキ「Aはぶっちゃけ裕翔とは行きたくないの？」


A「そんなことは思ってないよ。行ったら楽しいだろうし。」


ただ、普通に楽しんで終わるんだろうな、と思う。

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