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子猫が40匹 ページ42

アーリャの写真がSNSで回ってきた
少し早めにバルセロナに着いたらしく他の奴らがその写真をあげている
相変わらず綺麗なアーリャ、その腕には知らないガキが1人
髪の色や目の色が俺と、正しくはアーリャの弟と同じ子どもが抱かれていた
いくつか回っていた動画には優しく笑いかけているものもあり、携帯の電源を落として目を閉じる
あの大会の後、アーリャはヴィクトルとも話さずすぐに帰ってしまったから話す時間がなかった
だからヴィクトルに頼んでグランプリファイナルに来てもらうようにしたのだが…

《新しい代わり》
俺のじゃなくて“アーリャの弟”の新しい代わりだ
その位置付けだと俺はどこにいるのだろう
代わりになれなかった人間?
それは友達でも家族でもない場所
10年も一緒にいたのにあんなに簡単に終わってしまった
俺は本当に用済みなんだな、と思うと息が詰まって胸が痛くなった
こいつがいれば俺は要らないわけで
…何も知らないこいつが羨ましくて少し憎い
ただの嫉妬だ、妬み嫉みとかいう醜い嫉妬だ
情けねぇ

だけど考えてみれば、もしこの先前みたいに戻れたとして俺はアーリャの何になるのだろう
考えたら混乱してきた
一つため息をつくと向こうからリリアとヤコフが俺を呼んでいた
ベンチから立ち上がってまた氷に上がる

今は考えるのはやめよう
俺ができることはアーリャと話し合うこと、そして俺の演技を見てもらうことだ
友達は…まだできてないけど作ろうと思えば作れるから平気だ

ヴィクトルはグランプリファイナルが終わったらアーリャはそのガキとどこかに隠れると言っていた
止めるのも何もかもこの日しかできないと


練習が終わり明後日から俺もスペインに移動する
ストレッチをしながら考えるのはアーリャのことでなんて言えばいいか、なんて考えていた
正直言うと、なんて言えば良いかなんてわからない
あのガキと暮らすのがアーリャの幸せで俺やヴィクトルから離れることをアーリャが望むのならそれが1番なのかもしれない
でもただ、そうただ俺が嫌なのだ
ただのわがままで、自分勝手で、無関係なこの私情はアーリャを失うことを恐れている
俺はあんなに突き放されても、要らないと言われても、ヤコフに怒られてもこんなにアーリャが好きで一緒に居たいと、居てほしいと思う
なら、もうその感情に従おうと思えた
スケートに集中しなきゃなんねぇのにこんなに俺を悩ませるんだから全部アーリャが悪いんだ


俺をこんなにわがままに育てたアーリャが悪い

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ここや(プロフ) - 最高でした…… (2021年3月27日 7時) (レス) id: 5dffd3ecaa (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - オリジナルキャラ設定等を載せて下さい。 相互関係が分からないです。 (2019年8月23日 17時) (レス) id: e1da6f24a3 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 完結、おめでとうございます!いい作品でした!次の作品を楽しみにしてます! (2018年12月30日 2時) (レス) id: 66813c167e (このIDを非表示/違反報告)
k373 - 完結おめでとうございます!本当に素晴らしい作品でした。次の作品も楽しみにしてます!! (2018年12月29日 7時) (レス) id: 8c5d2fefa8 (このIDを非表示/違反報告)
- 控えめに言って最高です。 (2018年11月20日 3時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すえさん | 作成日時:2018年9月1日 17時

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