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子猫が32匹 ページ34

ヴィ「ユリアーンは幼くて状況を理解できていなかったからいつも母親を求めてた

アーリャは母親の代わりになろうと頑張っていたんだけどね

どうしても補えない部分はあった



だから母親がそう言った時はユリアーンに興味を持ってくれたとアーリャは喜んでたんだ


アーリャは母親だと思っていなくても

ユリアーンにとっては母親だからと

彼を思って母親に任せた



でもあんなことになって

アーリャは泣いて自分を責めた」


ユ「っなんでだよ!?

アーリャは何も悪くねぇだろ!!


なのになんで…」


ヴィ「…どうして自分は遊びを優先したんだって

どうして自分が迎えに行かなかったんだって


アーリャは何一つ悪くないのに

誰が何を言っても無駄だった


そうしてアーリャはスケートを辞めた


母親は育児放棄で捕まって

血の繋がった父親に引き取られたんだけど

彼にはもう他に家庭があったから

家だけ用意されてアーリャはそこで1人暮らしてた

また家に寂しく1人、アーリャはどんどん弱っていった

心が限界だったんだろうね

誰もユリアーンの代わりにはなれなかった

毎日毎日ユリアーンの写真を抱きしめて泣いてたよ


…本当は死のうと思ってたみたい







でもその年の末から彼はまだ生きることにした


事故の日と同じような大雪の日






アーリャはユリアーンの代わり(きみ)を見つけたから」


ユ「…」


ヴィ「珍しく家を出たアーリャは1人で泣いていた子に声をかけた

顔を上げてびっくり


だってユリアーンが生き返ったのかと錯覚してしまうほどあの子によく似ていたから


アーリャは思ったんだ

これは神様がくれたもう1人のユリアーンで

最後のチャンスだと


この子を幸せにすればユリアーンを幸せにしたことになり

自分は彼のために生きることができたことになるのだと」


俺の知らなかったアーリャの話
アーリャの本当に大切なやつ
俺がなれなかった本物の家族


ユ「…そういうことだったんだな

だから初めて会ったあの日

俺にあんなこと言ったのか」


アーリャが俺を見て言った言葉は俺に向けたものじゃなかったんだな


ユ「…“もうきみを1人にはしないから

僕がいるよ”


全部そいつのためか

ただの俺の勘違いかよ」


初めから何もかもが俺のためじゃなくて
アーリャの大切な大切な弟のためだった
アーリャは俺なんて見てなかったんだ


ヴィ「…全てじゃないよ









アーリャが音楽を始めたのはきみのためだったから」

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ここや(プロフ) - 最高でした…… (2021年3月27日 7時) (レス) id: 5dffd3ecaa (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - オリジナルキャラ設定等を載せて下さい。 相互関係が分からないです。 (2019年8月23日 17時) (レス) id: e1da6f24a3 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 完結、おめでとうございます!いい作品でした!次の作品を楽しみにしてます! (2018年12月30日 2時) (レス) id: 66813c167e (このIDを非表示/違反報告)
k373 - 完結おめでとうございます!本当に素晴らしい作品でした。次の作品も楽しみにしてます!! (2018年12月29日 7時) (レス) id: 8c5d2fefa8 (このIDを非表示/違反報告)
- 控えめに言って最高です。 (2018年11月20日 3時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すえさん | 作成日時:2018年9月1日 17時

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