子猫が20匹 ページ22
次の日から子猫とこまめに連絡を取りながら僕たちは互いのやるべきことに集中した
何日も行けない日が続くと子猫からのお怒りメールがたくさん来るので頃合いを見ながら寝に行っている
ある日
コンサートもあと少しということで息抜きに一日休暇をもらった
久しぶりの1日休みを子猫に報告すると子猫から練習の後に出かけようと連絡が来た
夕方に近くの公園で待ち合わせをすることになり
家の掃除やヴァイオリンの練習をして過ごし残った時間はカフェで読書をしていた
そろそろ時間かと会計を済ませ外に出る
夏も終わりそろそろ秋が来るというこの季節
時間より少し早く着いたのでベンチで座っていた
少しすると遠くから僕の名前を呼ぶ声が聞こえ顔を上げると少し先の向かいの交差点に子猫がいる
子猫は嬉しそうに手を振っていて僕も振り返す
信号は既に青になっており子猫が急いで交差点を渡ろうとした時には点滅を始めていた
そして子猫が交差点の半分の地点にいた時信号が赤に変わった
子猫は気がつかないままこちらに走って来ている
まずい
直感がそう告げていた
僕はすぐにそちらに走った
大きなクラクションの音が聞こえる
子猫はその音の方に顔を向けると驚いたように固まった
その音はどんどん近づいて来ている
間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え
手を伸ばし子猫の腕を力一杯引っ張った
間一髪で車は通り過ぎて僕たちは抱きしめ合う形で固まったままだった
ユ「…あ、危なかった
アーリャあり 『何やってるんだ！』っ！」
『あと少しで本当に轢かれてたんだぞ！』
ユ「ア、アーリャ？
ご、ごめんなさい
でも『痛いところはない？』え、な、ない」
『…今日はもう家に帰りなさい
僕が家まで送るから』
ユ「え、なんで、アーリャ！
俺怪我してない！
アーリャが助けてくれたから大丈夫だ！
せっかくの休みで今日は一緒に居るって約束しただろ！」
『腕を強く引っ張ったから痛めてるかもしれない
それに大会ま…』
急に目の前が真っ暗になった
子猫が大きな声で僕の名前を呼んでいる
返事をしたいのに声が出ないのはどうしてだろう
目を開けると見覚えのない天井が見える
だが少しずつ意識が覚醒していくと自分の状況が理解できた
子猫が呼んだのかな
すごく焦っただろうな
泣いてないかな
もう15歳だし泣かないか
体も特に痛む場所はないしただ気を失っただけだろう
看護師を呼ぶと改めて状況を教えてくれた
医者も点滴が終われば帰る許可がおりた
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ここや(プロフ) - 最高でした…… (2021年3月27日 7時) (
レス) id: 5dffd3ecaa (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - オリジナルキャラ設定等を載せて下さい。 相互関係が分からないです。 (2019年8月23日 17時) (レス) id: e1da6f24a3 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 完結、おめでとうございます！いい作品でした！次の作品を楽しみにしてます！ (2018年12月30日 2時) (レス) id: 66813c167e (このIDを非表示/違反報告)
k373 - 完結おめでとうございます！本当に素晴らしい作品でした。次の作品も楽しみにしてます！！ (2018年12月29日 7時) (レス) id: 8c5d2fefa8 (このIDを非表示/違反報告)
車 - 控えめに言って最高です。 (2018年11月20日 3時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年9月1日 17時
