はいはい可愛いよユーラチカ

子猫が12匹 ページ12

ヴィーチャとの話を終わらせゆ〜とぴあかつきに戻ると2人は先に帰っていたらしく温泉に入っていると寛子さんが教えてくれた
僕たちも入るため脱衣所で服を脱ぎ浴室の扉を開けた
堂々と入っていったヴィーチャは体を隠そうともせず挙げ句の果てには携帯まで持ち込んでいる
正面を見ると勇利と子猫はぐったりと温泉に浸かっていた
ヴィーチャは御構い無しに入浴写真を撮影しようとしたけど勇利に止められている
日本では浴室での撮影はダメらしい


『ユーラチカ、大丈夫？』


ユ「…アーリャ

日本の寺はやべぇよ

棒で肩を叩いてくるんだ

…それにagapeもわからなかったし」


子猫の膨れた頰をつつき空気を抜く
悔しそうな顔がなんだか可愛らしい


『よく頑張ったね

焦らなくても大丈夫

今日は疲れただろう？

ご飯食べて早く寝よう』


ヴィーチャが僕を見ていたけどそれに気がつかないふりをする
その後は子猫にご飯を食べさせて早々にベッドに入った

次の日も朝から練習
勇利も子猫もまだ掴めていないようだった
未だ寺だなんだと言われている子猫
ついに言われたのは滝
滝行とはたきにうたれるという昔から日本に伝わる修行法の1つらしい
不機嫌な子猫に無理やり連れて来られたのか勇利まで一緒に滝に打たれている


『勇利！暫く入ってるけど大丈夫そう？』


勇「僕は大丈夫！

ユリオは平気？」


ユ「…」


『ユーラチカ？』


勇「ユリオ？ユリオ！」


ユ「っ…」


勇「大丈夫？

もうやめとこう」


ユ「あ、うん…」


『2人とも大丈夫？

風邪引く前に早く体を拭いた方がいいよ

ほら』


少しぼーっとしていた子猫は鼻水を垂らしている
まさかもう風邪ひいたの？
急いで2人をタオルで包みこむ
ヴィーチャは長浜ラーメンを食べに行ったらしく
それを聞いた子猫は勇利を無理やり連れて行こうとするが


『ユーラチカ

今日はもう帰るよ

ラーメンはまた今度ね』


ユ「なんでだよアーリャ！？

ヴィクトルだけずりぃだろ！」


『さっきまで鼻水垂らしてた子が何言ってるのかな

さぁ早く帰ろうね』


ユ「アーリャ！」


『ユーラチカ

良い子が僕の言うこと聞けないわけないよね？』


ユ「…はい」


『いい子だねユーラチカ』


勇「…怖いよアリスタルフ

ユリオ、ラーメンはまた今度行こう」


半ば強制的に子猫に返事をさせゆ〜とぴあかつきに帰る
もちろん2人にはきちんと温泉で温まらせた
いつもより早めにベッドに入った
なぜかさっきから静かな子猫の視線を感じながら

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