我儘が27個 ページ27
side 折笠 千斗
僕がキッチンから戻るとリビングの空気は固まっていて華の纏う雰囲気がさっきまでとは違う
華は僕のことは気にせずに話を続けた
話によると華は華だが華じゃない、らしい
余計にややこしくなったね
『陸にぃと離れちゃった後
“華”は奥に押し込まれちゃったの
もう外で“華”では居られなくなったから
それで新しく今の華が生まれた
…でも“華”ずっと見てたよ
天にぃと喧嘩した時も陸にぃに会いにいった日も
奥からずっと見てた
華はもう“華”のこと捨てなきゃって思ってたけど
本当に捨てちゃったら耐えられなかったから
だからずっと華を“華”が守ってきた
華と頑張ってきたよ』
同じ名前で同じ人間の中にある二つの人格
だがそれは二重人格というほどはっきりしたものではなくて
みんなは驚きと混乱で声を出せないみたいだ
まあ僕も驚いてはいるけどもうちょっと話を聞いておきたい
『もし華が華でいることに耐えられなくなったら
“華”に交代する
そうやって保ってたの
それに華は“華”がいること気がついてないから
だから必死に強いフリして
1人で大丈夫なフリして
__________天にぃのこと嫌いになったフリしたの』
天くんはその言葉に驚いた
まあ僕たちは知ってたけどね
見ていればわかるよ、大のブラコ、ではなくてお兄ちゃん子だもんね華は
『天にぃ
華とこっち来てからずっと華に罪悪感ばっかり感じてたから
華が天にぃのこと大好きって言ったら
天にぃ華にごめんねって思うでしょ?
それわかってたから嫌いって言ったの
天にぃ優しいから華も頑張って考えたんだぁ』
嬉しそうに話す華だけどなんだか辛そうに見える
天くんは泣きそうな顔をして華に近づいた
それは悲しそう顔じゃない
天「…華はそうまでしなきゃ耐えられなかったんだよね
でも、それでも自分が辛いのを我慢してまで
ボクのことを考えてくれたんだね
謝らなくちゃいけないこともたくさんあるけど
まずは言わせて
ありがとう“華”
華を守ってくれて
華と一緒にいてくれて
本当にありがとう」
天は優しく華を抱きしめた
華は驚いた顔で固まっている
陸「俺からもお礼を言わなくちゃ!
俺たちが華を支えられなかった分
ずっと1人で華を助けてくれたんだよね
華がいてくれてるのは“華”のおかげ!
ありがとう“華”」
陸くんも笑顔で華抱きしめた
モモは僕の隣で涙目になって感動している
抱きしめられた華は泣いていた
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三月のうさぎ - 何回涙流したんだろう (2020年2月2日 10時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
(⌒▽⌒) - はやく続きみたい! (2018年6月2日 12時) (レス) id: 3cbfec77ca (このIDを非表示/違反報告)
( ・ω・)(プロフ) - ちょっと、続きまだですか?!……って言うのは嘘で、ゆっくりでいいので更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年5月22日 18時) (レス) id: e356b7a08c (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あずき(プロフ) - すごく面白いです!そしてすごい感動します!続き楽しみに待ってます! (2018年5月13日 0時) (レス) id: 1184735559 (このIDを非表示/違反報告)
yamauchimidori9(プロフ) - めっちゃ面白いです!!神です!!続き、楽しみにしてます!! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 537feb31cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すえさん | 作成日時:2018年4月21日 14時