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我儘が20個 ページ20

side 折笠 千斗



仕事終わりにスマホをチェックすると

モモからラビチャが入っていた


“ダーリンへ

緊急事態!!

これ見たら急いでモモちゃんちに来て!”


真剣なのかそうでないのか判断に困るねこれ

おかりんに送ってもらいモモの家に向かった

合鍵で中へ入ると


そこにはなんとも可愛い光景が広がっている

というか…


千「なんで華がここにいるんだ?

陸くんたちが探してるって言ってたのに」


寝ている華に寄り添い眠るモモを起こす


百「…ん、んぅー?…あ!ユキ!

おかえり!遅かったね」


千「ただいま?

ちょっと長引いてさ


そんなことよりどうして華がここにいるの?」


俺が聞くとモモは華を見てとても辛そうな顔をした


百「…助けてって言われたんだ

それで急いで迎えに行って連れて帰って来た


千も知ってるよね、華の事情

今までなんとか耐えて来たけど

もういっぱいいっぱいになっちゃったみたい


さっきまで泣いてて今は泣き疲れて寝ちゃったよ

…かわいそうに」


モモは華の頭を撫でる


『…にぃ、…ご、め…』


華はその手を掴むと頰にすり寄せた

“ごめん”なんてお前が謝ることなんてないのに


千「…どうするの

モモにも来てるんだろ陸くんたちのラビチャ


華が行方不明で連絡がつかない

なにか知りませんかって」


そういうとモモは困ったように苦笑いを浮かべた


百「そうなんだよね

俺も華にせめて連絡しようって言ったんだけど

もう誰にも会いたくないの一点張りでさ

無理やりなんて可哀想なことできないし


隠れて連絡しようかなとも思ったんだけど

今の華が無理やり連れて帰られたりなんてしたら

ストレスで死んじゃうよ


今はゆっくり休ませてあげないと」


モモの考えには一理ある

この子の事情を知った日から

僕らはこの子を守ってあげたかった

だけど僕らの手だけじゃ支えきれなかった


華は九条に引き取られてすぐの10歳で

子役としてデビューした

自ら望まずしてこの業界に引きずり込まれた

その中で生まれた“3人の華”は

どれも本物で偽物だった


ソファで静かな寝息を立てるまだ小さな男の子は

その心の内にどれほど大きなものを貯めたのだろう


千「…とりあえず

彼らにだけは知らせておこう

それでまだここに居させると伝える


でも絶対に九条にだけはバレないようにしよう

あいつは強引な男だ

華がここにいると知ったら力尽くで取り返しに来る」


モモは陸くんたちに連絡をした

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三月のうさぎ - 何回涙流したんだろう (2020年2月2日 10時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
(⌒▽⌒) - はやく続きみたい! (2018年6月2日 12時) (レス) id: 3cbfec77ca (このIDを非表示/違反報告)
( ・ω・)(プロフ) - ちょっと、続きまだですか?!……って言うのは嘘で、ゆっくりでいいので更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年5月22日 18時) (レス) id: e356b7a08c (このIDを非表示/違反報告)
(名前)あずき(プロフ) - すごく面白いです!そしてすごい感動します!続き楽しみに待ってます! (2018年5月13日 0時) (レス) id: 1184735559 (このIDを非表示/違反報告)
yamauchimidori9(プロフ) - めっちゃ面白いです!!神です!!続き、楽しみにしてます!! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 537feb31cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すえさん | 作成日時:2018年4月21日 14時

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