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52_同じ世界 ページ16

A『・・・私はそういう意味の世界を言っているのではないと』

オビ「同じですよ。なんせ俺も元は裏の仕事をしていたんだからね」

そういうとA嬢は少しだけ目を見開く。そんなA嬢を見ながら俺は続ける。

オビ「主もお嬢さんも俺がそういう人間と知りながら、それでもここに居させてくれてるんですよ。ならA嬢だってここにいられるに決まっているでしょう?」

見るからにA嬢が揺れ始めたように見える。必死に何かを考えているみたいだ。

A『・・・私は、私はきっと誰も信じられない』

暫くの後、小さな声で放った言葉はそんな言葉だった。

オビ「それでもいい。例えA嬢が俺達のことを信じられなくても俺達がA嬢の事を信じるから。ですよね?主?」

それだけ言い切ると後ろにいた主に振り向く。

ゼン「あぁ、オビの言うとおりだ。俺達はAに何があったのか知らない。だから無理に俺達を信じろとは言わない。だが、俺達はAを信じる。このことは絶対に変わらない」

主も堂々と言い切る。
すると、先程まで不安げだった顔のA嬢が、瞳が大きく揺れ始め、次の瞬間大粒の涙がこぼれ出した。
突然の事に驚く一同。しかし、一番驚いているのはA嬢自身のようで、『なにこれ・・・止まらない・・・』とA嬢らしくもなくオロオロとしていた。

ゼン「A?す、すまん。俺が何か変なこと言ったか?気に障ることを言ってしまったか?」

キキ「ゼン黙って。変なことは言ってないから大丈夫」

オビ「A嬢?どうしたんですか?」

白雪「A?大丈夫?どうしたの?何か嫌なことを思い出したの?」

今まで見たことのなかったA嬢の涙にそこにいる一同は慌てはじめてしまう。しかし、A嬢はようやく落ち着いてきたようでまた元の無表情に戻り始めた。

オビ「A嬢?」

すっかり元に戻ったA嬢を呼んでみる。

A『・・・本当に私がここにいてもいいのですか、ゼン王子殿下』

ゼン「なに?」

A『・・・私は裏の人間です。いつかあなたを裏切るかもしれない』

口調、表情は今までと何も変わらない。しかしその声だけは今までとは違い力強い声をしていた。

ゼン「ふっ、はははっ。いいさ、その時は俺やキキやミツヒデ、オビが全力でお前の目を覚まさせてやるから」

A『ならいいです。私はゼン殿下付伝令役としてもう少しここにいさせてもらいます』

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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時

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