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51_違う世界 ページ15

A嬢を連れて薬室に戻ると少し不機嫌そうな顔をした主が待っていた。

ゼン「俺の目の前で逃げようとするとはいい度胸だな。A」

ゆっくりとベッドにA嬢を降ろすと主が話し始める。

A『・・・すみませんでした』

A嬢は反抗することもなく素直に謝る。しっかりと主の方を向きながら。

ゼン「はぁ、全く、ずっと眠っていてやっと目が覚めたと思いきや突然出て行こうとしているから驚いたぞ」

白雪「そうだよ!一か月も眠ってたのにいきなりそんなに体が動くわけないでしょ!」

お嬢さんと主から長々と説教を受けるA嬢。相変わらずの無表情だが、決してそらすことはなかった。

ゼン「・・・とまぁ、説教はこのくらいにして本題に入ろう。A、お前は自分が必要かどうかを試してくれ、と言ったな」

A『・・・』

ゼン「言われた通りタルナでの間のAを見させてもらった。そうして出した結果がこれだ」

そう言って主はA嬢の前にあるものを突き出す。

A『・・・クラリネス王国第二王子付伝令役?』

ゼン「そうだ。Aが眠っている間に作っておいた。異論はないな?」

A『待ってください、私はそんな働きはしていないはずです。迷惑ばかりかけていました。それなのに何故』

表情は変わらないが、明らかに焦ったような声色になるA嬢。

ゼン「俺はAが誰かを助けるために全力で動いている姿がとてもいいと思った」

主は落ち着かせるような声と笑顔で言う。しかしA嬢は首を縦に振らない。

A『・・・先程も言いましたが、貴方方とは生きる世界が違います。私は王族の方に買われるような人間ではありません。私に関われば何があるか分かりません。なのでお断りさせて頂きま・・・』

白雪「同じだよ」

A『え・・・?』

白雪「私が住む世界もAが住む世界も同じ世界だよ」

お嬢さんが少し怒ったような顔をしながら言う。

A『・・・私が言っているのはそういう意味では・・・』

白雪「Aが言っていることがどんな意味だろうと私たちが住む世界は同じだよ」

お互いに譲らない二人のやりとりが続く。

オビ「A嬢、今窓の外には何が見えますか?」

俺の突然の問いかけに一瞬戸惑ったように見えながらも、窓の外を見て『・・・森と鳥』と答える。

オビ「でしょう。俺にも同じ風景が見えていますよ。だから俺達は同じ世界に生きているじゃないですか」









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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時

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