四十五話 ページ9
(人1)side
(人2)「異能力【羅生門】」
(人1)「！」
異能力と聞き、私は芥川の方を再び向いた。すると、私の横を何かが通り過ぎて行った。それと同時に地面が抉れていた。もし、さっきのが私に当たっていたら。
(人2)「もちろん、今のはわざと外した」
(人1)「っ！」
(人2)「だが、私の羅生門は悪食。あらゆるものを喰らう。生け捕りが目的だが抵抗するならば、次はお前の足を奪う」
この人の言葉の一つ一つが、恐ろしい。この女の人、国木田さん達が危険だって言うのがすっごく納得がいく。でも、
(人1)「何故、どうして、私が」
それも、私のせい。私が生きているだけで、みんなを不幸にするの？そう思っていたら、
「っ・・・・・(人1)ちゃん」
(人1)「！谷崎さん！」
重傷を負って倒れていた谷崎さんが少しだけ意識を取り戻した。
谷崎「に、逃げろ・・・・(人1)ちゃん」
ナオミ「ｳｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ！」
二人共まだ息がある。
《貴様も今日からは武装探偵社の一隅だ。社の看板を汚すような事はするなよ》
逃げちゃ駄目だ。今ここで逃げたら、社の看板を汚すのと同じ。それに、二人を置いて逃げるなんて、私にはできない。
そう思った私は直ぐに芥川のいる方向へと走った。
(人2)「玉砕か。つまらん」
そう言うと、芥川は獣の様なものを私の方に放ってきた。私はそれをかわし、すぐに芥川の真横の真下を滑って通ると、落ちている銃を手に取った。そして、その銃を芥川に向け、
ﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯ！
そのまま芥川の背後から銃を連射した。少しでも、相手にダメージを与えなければ。そう思ってたのに、
(人1)「っ・・・・・そんな」
相手は傷一つ付かない所か、弾が一つも当たっていなかった。その背には、先程の獣が姿を現していた。そして、同時に、私が撃ったであろう弾が地面に落ちた。
(人1)「な、何で」
(人2)「今の動きは、なかなか良かった」
(人1)「っ！」
(人2)「しかし所詮、所詮は愚者の蛮勇。言ったでしょ？私の黒獣は悪食、凡ゆるモノを喰らう」
芥川はそう言って顔だけをこちらに向けた。その時の表情が、酷く恐ろしく、思わず銃を落としてしまった。
(人2)「銃弾に飛来し着弾するまでの空間そのものを喰い削った。槍も炎も空間が断絶していれば、私までは届かぬが通り」
そんな、それじゃあ、攻撃のしようがないよ。
(人2)「そして私、約束は守る」
そう言うと、獣はそのまま私の右足を喰い千切っていった。
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KICU(プロフ) - ありがとうございます。長く更新していなくてすみません。少しでも更新ペースを上げていきますね (2020年6月4日 0時) (
レス) id: afb88475f3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 久しぶりの更新、お疲れ様です！続きが読めて凄く嬉しかったです！ありがとうございます！ (2020年6月3日 12時) (レス) id: 24edc1aa4d (このIDを非表示/違反報告)
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