【ヒロアカ】二人の歌姫 (ページ13)

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九話ページ13

(人1)side

(人1)「デク！？」

KICU「ちょっと！君！来ちゃダメよ！」

ヒーローKICUが言うも、デクは何一つ聞く耳を持たなかった。その変わり、自身が背負っていたリュックを一旦下ろした後、すぐにそのリュックをヴィランに向けて投げた。そしたら、

ガンッ！

ヴィラン「いってぇー！」

ちょうどヴィランの目に当たったらしく、それと同時にまた勝己の口を覆っていたヘドロがまた取れた。デクは、そのまま勝己を助けようとしているのか、ヘドロを掴もうとしていた。

(人1)「ちょっ！デク！」

爆豪「なっ！何でテメェが！」

緑谷「なんでって言われても！足が勝手に動いて、分からないけど、

・

・

・

君が、助けを求める顔をしていたから！」

(人1)「！」

KICU「！あの子」

デクの言葉を聞いて、私は、亡くなったお母さんの言葉を思い出した。

《誰かを助けたいと思うと、考えるよりも先に、体が動く。昔、そう言った人がいたのよ》

デクも同じなんだ。デクも、考えるよりも先に、体が動いたんだ。

(人1)(私、何やってるんだろう。幼馴染が頑張っているのに、私は、ただ見てるだけで、何もやってない。情けなさすぎて、自分にムカつく)

そう思いながら、私はそのまま立ち上がった。

緑谷《じゃあ、いつかは見せてくれる？(人1)の個性を》

いつか、じゃない。今見せるときなんだ。今使わないで、いつ使うのよ。

(人1)「KICUさん」

KICU「？」

(人1)「頼みがあるんですけど」

KICU「何？」

(人1)「私、今から自身の個性を使います。その為にも、まずKICUさんは、さっきの疾風を使って人質になっている私の幼馴染の腕の一本が出るぐらいにかすらせて、出して欲しいんです。できますか？」

KICU「うーん。ちょっと理解ができないけど、要するに彼の片方の腕に纒わりついているヘドロを取るだけでいいのね。難しいけど分かった」

そう言うと、KICUさんは一枚のカードを取り出した。発動させるその前に、

(人1)「デク！」

緑谷「？」

(人1)「今から私、貴方が見たがっていた個性を使うから！だから、デクは私の言った通りに従って！いいわね！」

緑谷「！うん！」

それを聞いて、私はKICUさんに発動させて良いと、目で合図をすると、KICUさんはそれを理解してか、すぐにそれを発動させた。

KICU「GALE！」

そう言うと、またすぐに疾風が勝己の片腕についたヘドロを取った。