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第一話 ページ1

「みつからないね?人喰い虎」

「あぁ。それにしても、本当にこの辺りにいるのか?」

「目撃情報を聞く限りでは、この辺りで間違いはないと思うよ。それにしてもこの川、良い川だね〜」

「また、お前は。そうやって直ぐに、自 殺の算段をするんじゃ」

ドボンっ!

「って、言った傍から川に飛び込むなな!」


?side
川の中は静かで意外と気持ちいい。気持ちいいけど、ちょっと苦しい。自 殺は好きだけど、苦しいのも痛いのも嫌いだ。

あぁでも、もう無理だ。死にそう。でもまあ、死ねたら死ねたでいっか。そう思いながら、私はしばらく意識を飛ばしていた。

そうしてしばらく経って目を覚ますと、何故か茜色の夕焼け空が見えた。私はとりあえず起き上がってみると、呼吸もできるし、ここが地上であることが一目で分かった。

これはつまり、私は死ななかったということか。

?「あの、川に流されてましたけど、大丈夫ですか?」

「助かった、か。・・・・・・・チェッ!」

?「チェッ!?(今、チェッって言ったか?この人)」

「貴方なの?私の入水を邪魔したのは」

?「僕はただ助けようとしただけで、・・・・・えっ?入水!?」

「知らないの?入水、つまり自 殺よ」

?「じ、自 殺!?」

「そう!私は自 殺をしようとしていたの。それなのに貴方が余計なことを」

?(えぇー、僕今なんか怒られてる?)

「とは言え、人に迷惑をかけないクリーンな自 殺をするのが、私の心情だ。なのに、貴方に迷惑をかけてしまった時点でそれはこちらの落ち度、何かお詫びでも」

私が最後まで言おうとした時、

グウゥゥ

少年のお腹が鳴った。

「空腹なの?少年」

?「実は、ここ数日何も食べてなくて」

少年がそう言っていたら、

グウゥゥゥゥゥ

「奇遇だね。・・・実は私もなの」

?「それじゃあ!」

「ちなみに財布は流されたようね」

そう言って私は、ポケット裏返して見せた。まあ、本当は彼に預けてきたんだけどね。ていうか、何故か私のポケットから蛙が出てきたのだけれど、どうやってそこに入ったの?

第二話→


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作者名:KICU | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年4月27日 3時

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