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四話 ページ5

Aside
国木田くんにいろいろ怒られて、それと同時に首まで締められている時、

中島「その、今日のお仕事と云うのは?」

国木田「あ゛ぁ゛!?」

中島「わぁー!!ス、すみません!すみません!余計な事を聞いちゃいました!」

敦くんが私達の今やっている仕事内容を聞いて来た。

中島「そ、そそ、そうですよね。探偵の仕事は守備義務とか、ありますもんね?」

国木田「今日の仕事は、別に隠すような類のものではない。軍の依頼で、虎探しをしている」

中島「…………虎?」

A「近頃、街を荒らしている噂の人喰い虎よ。まあ、本当に人を食べたのかは知らないけど、倉庫を荒らしたり、畑の作物を食ったり、好き放題よ」

まあ、本当に人を喰べているのであれば、私はこの任務は降りるつもりではあるけど。誰かが死ぬ姿なんて、もう二度と、見たくない。

そう思っていたら、私は昔の事を思い出してしまった。私をここまで育ててくれた人。そして、私にこの道を選ばせてくれた人が、死んでしまったことを。

私は弱みを見せないように、平気な顔をして、敦くんに話した。

「まあ、最近この辺りでも、目撃情報が多くてね」

そう言うと、

ガタガタッガシャーン!

何かが転げ落ちるようなそんな音が聞こえた。私は、その聞こえた方を見ると、敦くんが椅子から落ちていた。同時に、器が床に落ちていた。

A「どうしたの?敦くん」

中島「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼します。さ、さようなら」

そう言って、敦くんはそそくさにこの場から去ろうとしていた。そこへ、

国木田「待て小僧」

国木田くんが後ろから片手で後ろ襟を掴んで持ち上げ、行く手を阻んだ。敦くんは早く逃げようと、抵抗をしていた。

A「おぉー、国木田くん。力持ち」

国木田「そんな事より、貴様、何か知っているな」

国木田くんがそう問うと、敦くんは抵抗を辞めて、直ぐに落ち着いて私達に言った。

中島「む、無理だ」

A「?無理って、何が?」

中島「奴に人が叶う訳が無い!」

A「奴?ひょっとして、人喰い虎の事?」

国木田「貴様、人喰い虎を知っているのか?」

中島「彼奴は僕を狙っている。殺されかけたんだ!この辺に出たなら、早く逃げないと!」

狙われた?殺されかけた?どういう事?そう思っていたら、国木田くんが後ろ襟を放し、すぐに腕を後ろに曲げて、床に押し付けた。ていうか、あれ、痛そー。

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作者名:KICU | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年4月27日 3時

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