ハー子の本音 ページ32
見れば、泣いたハーマイオニーだ。
「今の、聞こえたみたいだよ。」と、ハリー。
「それがどうした？誰も友達がいないって事は、とっくに気が付いてるだろうさ。」
と、ロン。
「ロン。」と、チリチリ頭のシエル。
「何だよ。」と、ロン。
「歯ぁ食いしばれ。」
「え。」
バキッ！！！
「ぬぐぇ！？」
シエルはロンを力いっぱい殴った。
怒っているからだ。
「な、何するんだよ！」
ほおを赤くして、鼻血を出しながらロンは訴えた。
「このクズが。努力している人間をけなしていい理由なんてどこにもないんだよ。
それに、ハーマイオニーに友達はいる。私がそうだ。…お前なんか見損なった。」
チリチリ頭のシエルは冷たく言い放つと、唖然としているロンを放って
ハーマイオニーを追った。
ハーマイオニーがかけ込んだのは女子トイレだ。
ゆっくりとハーマイオニーが入った個室に近付いて、声をかけた。
「ハーマイオニー？」
「…シエル？来ないで！」
ハーマイオニーのうわずった叫び声がした。
「私… 聞いての通りすごく嫌なやつだわ。勉強も出来て人気者の貴方とは大違い。
貴方も思っているんでしょう。大して取り柄もないお節介って！」
「そんなに事ない！」
シエルは思わず叫んだ。
「そんな事思う訳ないじゃないか。君は努力家で、自分にも他人にも厳しいのは本当は
誰よりも優しいからだ。君の事を尊敬しているよ。」
「嘘よ…！そんな優しい嘘つかなくてもいいわ…… だって私、本当に嫌なやつよ。
だって… 完璧な貴方が妬ましいんですもの！優しい貴方には私の様な人間の気持ち
なんて分からないわ！」
「ハーマイオニー… 」
ハーマイオニーは半狂乱になって告白した。
シエルは少なからずショックを受けた。
「ハーマイオニー… お互い冷静になろう。君を待ってるから、落ち着いたら
出て来て。」
シエルはそう言い残すと、トイレを出た。
ところが、次の授業になっても、午後の授業が終わっても、ハーマイオニーは出て
来なかった。
夕食時、ハロウィンである今日は、大広間にかぼちゃのランタンが飾られ、
テーブルの上にご馳走が並べられると、ロンはすっかりご馳走に魅了され、
ハーマイオニーの事など忘れてしまった。
シエルは、ハーマイオニーが１人泣いているのに、ご馳走などとても口にする気には
なれず、ステップを踏むふりをしてロンの足を踏む事に徹した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スタートゥインクルプリキュア☆ - コメントありがとうございます！初めていただいたのでとても嬉しいです！これからも投稿頑張るので応援よろしくお願いします。 (2020年9月13日 17時) (
レス) id: 78f0d52032 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください (2020年9月13日 12時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スタートゥインクルプリキュア☆ | 作成日時：2020年8月22日 17時
