15.振り向かせます宣言 ページ17
「なぁんて事があってさ」
はあ、と深い溜息を吐いた。
喫茶店で、優ちゃんと向き合い、
昨日の出来事を相談という形で話した。
優ちゃんとは、昔からの友人だが、
子どもが生まれた今は、数少ないママ友の一人。
よく、お茶をしながらこうして話をするのだ。
「それで、断ったの?」
「うん。だって、あまりにも唐突だし」
「あのヴィクトル・ニキフォロフだよ?!
あんなイケメンに告白されたら
断らない人なんていないでしょう!!」
優ちゃんが少し興奮気味に、机をバン、と叩く。
机の上の珈琲が激しく揺れた。
「こんなこと言うのはあれだけど、
付き合ったら、金も名誉も何もかも手に入るんだよ?
好きじゃなくても付き合うのが普通でしょ。
私はどれだけ好きでも付き合えないのに。
世界中の人が羨むよ」
「……私なんかを好きでいてくれてるのに、
私がヴィクトルを好きじゃないまま
付き合ったら、申し訳ないよ。
それに、ヴィクトルの好意だって、
多分、同情に近いものだと思うから」
過去に男性から暴力を受けて、
たった一人で子どもを育てる。
こんな話を聞けば、多くの人が同情をするだろう。
きっと、ヴィクトルもその一人なのだ。
「ん〜、そんなことないと思うけどなあ。
断った後、ヴィクトルは何て?」
「そう! それがね、
"要は振り向かせたら良いんだね!"って宣言して、
諦める様子はなし。すごく前向きなんだよ」
ちょっと面倒だ……小声で本音を漏らす。
「暫くは様子を見るつもり。
迷惑だったら、迷惑だって直接言う」
「それが良いよ。もしかしたらAちゃんも
心変わりするかもしれないしね」
「……うん」
窓から差し込む西日に目をやりながら、
僅かに残っていた珈琲を、一息で飲み干した。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2019年9月12日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます!もう更新されないのでしょうか? (2018年12月29日 21時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
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