本章 ６ ページ16
マネージャーの体験期間に入って２週間。
一日経つごとに
ひとり、またひとりとマネージャー志望は減っていく。
それでも私にとっては、
毎日選手たちのために駆け回る日々は充実していたし、なりより楽しかった。
今日もいつものように忙しなく動いていたが、
たまたま普通部員のテニスコートの前を通ったときに
「香燐！」と鋭く名前を呼ばれた。
悩むこともなく声の主が解ったので、
すぐにそちらを振り返り駆け寄った。
疲れて休憩中なのか、ネットにもたれ掛かってこちらを見ている。
「景吾。調子はどう？」
「ああ、まだ入部したてだからな。球拾いと基礎練ぐらいのもんだ。
そっちこそマネ業はどうなんだよ。」
声こそ、いつも通りの明晰(めいせき)な口調だが、
景吾の額からは汗が瞼まで流れ、真珠のようにしたたり落ちている。
「...まぁ、予想はしてたけどハードね。
最初は５，６０人いたのに、あっという間に１０人以下。」
「そいつらの覚悟はそんなもんだったってことじゃねぇか。
お前は......心配しちゃいねぇが、辞めるなよ。」
「頼まれても辞めないわよ。
景吾たちの側でサポートできるように
正レギュラーのマネージャーになるんだから。」
幸い、急ぎの仕事が丁度終わったところだったので、
久しぶりに落ち着いて幼馴染と話せそうだ。
そう思っていたところに、
聞き慣れない声とイントネーションが耳に入り込んできた。
「お、景ちゃん。」
そう言ってこちらに手を振ってくる男子生徒を見て、私は言葉を失った。
体が硬直し、体内の臓器が圧迫されるような感覚に囚われた。
倒れなかっただけ褒められた方ではなかろうか。
───────だって、確かに、あの日見た ''彼'' だったから。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (
レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです！文才力すごいですね！ (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです！新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです！ (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ルート | 作成日時：2018年3月27日 23時
