【wrwrd!】【MSSP】元一般人と軍人と傭兵 (ページ11)

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白い軍服を男は、ひとらんらんです…と名前を自ら教えてくれた。
そわそわしてるし目線合わないしなんですかねこれ。目が合わないのきついわ。
とりあえず馬を撫でてやり過ごす。

「ひとらんらんさんの馬ですか？」
「うん。外道丸っていうんだ」
「(まさかの外道丸に草不可避)…強そうですね」
「…そう？」

なんか嬉しそう。
なんとかなく雰囲気が柔らかくなったことが感じられた。
優しく外道丸を撫でる姿は復讐鬼に見えない。めっちゃ癒されるわ。

撫でながらまたもごもご何か言っている。
ん、な…んん？な、まえ…あ。

「すいません、名前言ってなかったですね。Aです。よろしくお願いします。」
「…ん、よろしく、A」
「ひとらんらんさんは、」
「ひとらんでいいよ」
「あ、じゃあひとらんさんで」
「さんも無しでいいんだけど」
「いや、流石にさんは付けさせてください」

あ。ちょっと不服そうだな。
外交が終わって、仕事中でなければね。と言うと少し嬉しそうに目を細めた。
マスクで表情が隠れているのに、目元でなんとなく感情が見えるのはなんだか面白い。
しかも今気づいたが、自分も黒いマスクをしているからマスク二人並んでいるのは尚更面白い光景だなー。

ふいに、外道丸の顔が近くに寄ってきた。

「え、ちょ、！？」
「はっ！？」

外道丸が、器用に黒いマスクだけ取っていった。
こう、ガッ、ムシャッ！と効果音付くぐらいの強さで。
それ一つしかないんですけど。

「あ、あーあー……これはもう付けらんないな」

かなり噛まれたマスクは涎でべとべとでもう付ける気は起きない。
指先でつまむが、外道丸がまだ狙っている。なにすんだよお前。おひいさんに何言われるか…

そういえば、さっきから静かだなひとらんさん。

「あの、ひとらんさん…」
「………………っ」
「え！？ひとらんさん！？」
「………ほんと、ごめん」

こちらを見て放心状態だったひとらんさんが、いきなりしゃがみこんでしまった。
うあああああ…！止めて止めて幹部がこんなモブに謝らないでえええええ！
いやあの、気にしないでください！マスクなくてもなんも支障ありませんよ？ただおひいさんに付けておいて欲しいといわれて付けていただけで意味はあまりなく…。とこっちが何故か悪いのかと思うぐらい弁解している。
貴方が気にしなくても外道丸の可愛いイタズラなら全く怒る気ないし！

「っひとらんさん！」

がっ、とひとらんの肩を掴んだ。