【wrwrd!】【MSSP】元一般人と軍人と傭兵 (ページ2)

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この世界に来て、１年が経った。
テロ妨害、荷物運び…まあ何でも屋みたいなもんなんだけどね。私の仕事。
国を転々としながら依頼を受けていったことで、世界の状況がようやく把握出来てきた。
私の本来の世界では聞いたことのない国があり、おまけに戦争までしている。もちろん日本なんてない。知ったときは体中の毛穴から汗が止まらなかったと思う。うん。

そしてこの世界で最も強く、様々な国から恐怖されている国がある。
その国は、ニコ厨の私が聞いた時、絶対にその国には関わってはいけないと心の底で断言した。
そう決めた。決めて、今までと変わらずこの世界で過ごしてきた。

そう、今日まで。

本日もお得意様のから依頼を受けて、馬車に揺られながら目的地に着くのを楽しみにしている。
いや私じゃなくて依頼者ね。私？私はガン落ちしてます。顔には出しませんが。
そんな私とは正反対な依頼者がこれからの流れを楽しそうに話してしていた。

「そろそろ着くかな？本当…初めての外交にAがいてくれて良かったわ！」
「(かわいいな…)…うん落ち着いておひいさん、多分もうすぐで検問入るから」
「そ、そうね。こんな姿、はしたないもんね…」

私に叱られたと思ったのか、依頼者のおひいさんはしゅん…と少し落ち込んでしまった。
小動物のような彼女の姿に母性をくすぐられてしまい、思わず苦笑をして頭を撫でた。
頭を上げて少し驚いている顔でこちらを見てきた。

「ごめんね。着くまでに疲れたら大変だと思ってさ。一応、護衛者だし？」
「、ふふ！ええそうね、ありがとう。やっぱり、Aがいて良かった…」
「任せな。大事なおひいさんを守るお仕事なら、パパ頑張っちゃうぞ」

いえーい、とおひいさんにピースサインを向けたところで、馬車の従者がの大きな声が響いた。

「まもなく目的地に着きます！」
「「！！」」

馬車の従者が大声で報告してくれたことで、おひいさんの顔が少し強張った。
かくゆう私も、心臓がどくどくと早く動き出したように感じた。
着いた。着いてしまった。この世界で最も強く、恐れられている国、

「我々国……」