Episode.21 ページ24
・
(よし、開いた。念の為にヘアピン沢山買っておいて良かった……)
中也の感は当たり、太宰は今、Aの元へ向かっていた。
__そしてたった今太宰は、Aがいる部屋の鍵を開けたところだ。
太宰「全く…中也の癖に。ここの鍵を開ける為だけに、結構時間がかかってしまったではないか」
廊下も無駄に長く迷路の様になっていて、超人的頭脳を持つ太宰であろうとも、Aがいる部屋まで辿り着くのに時間がかかった。
一般人が入ったら、数日かけてしか辿り着くことはできないだろう。
特にAがいる扉の鍵穴は構造が難しく、ヘアピンで形を組み立てるのに時間がかかった。
扉を開き部屋の中に入ると、気持ちよさそうにソファで寝ているAが居た。
太宰「ふふ、Aちゃん…やっと私のモノだ」
太宰はヘアピンをテーブルに置き、ソファで寝ているAに近づいて触れるだけの軽いキスを落とす。
そこで、太宰はAの首元に付いているキスマークを見つけた。
太宰「…何これ?中也が付けたの?
・
__私が今、上書きしてあげる」
目を覚まさないAの頭を右手で起こし、
中也が付けたキスマークの上に、新たなキスマークを付ける。
『痛っ……』
痛みを感じ、Aは起きる。
太宰「お目覚めかい?愛しのAちゃん」
『えっ!?貴方は、この前の……』
誰も入ってこられるはずのない部屋に、前心中を申し込まれた人が居て、Aは混乱する。
太宰「あぁ、そうだ…私、上書きしといたから」
そう云いながら、太宰は自分の首元を、長く綺麗な人差し指でトン、トンと指す。
__さっきの痛みはキスマークだったんだなと、
Aは確信する。
『…どうやって、ここに入ってきたの?』
太宰「そんなの、私にかかれば容易いことだよ」
Aは、テーブルに置いてある大量のヘアピンを見て、きっとこの人もポートマフィアの一人なのだろう、と考えた。
『じゃあ…何故、ここに入ってきたの?』
助けてくれるのか、それとも他の、何か別の理由があるのか。
Aは思考を巡らせる。
太宰「取引をする為だ」
『取引?』
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太宰「私が君を、この部屋から出してあげよう。ただし……君が私のモノになるなら、だけどね?」
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ann✩ - え?神?好き(言葉出らん) (2022年9月14日 16時) (レス) @page40 id: 6a7e843e24 (このIDを非表示/違反報告)
ミィ - うわぁぁぁぁぁ!(言葉が出てこない) (2020年9月28日 21時) (レス) id: 3a19cdf441 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこ(プロフ) - たまかけごはんさん» ぇぇぇぇありがとうございます!!嬉しすぎてなんかもうやばいです(語彙力の欠片もない) (2018年9月19日 0時) (レス) id: 9bae2d0ebf (このIDを非表示/違反報告)
たまかけごはん(プロフ) - なんか、もう最後のオチ...がぁああのそのなんといいますかatftその、badなのかhappyendなのか分からないのがもうなんか...ほんと今までの読み物の中で一番面白かったです!(はい、まじで。)個人的にはなんかもうhappyendです(^q^)←こいつ (2018年8月24日 4時) (レス) id: 509dd3d992 (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこ(プロフ) - ヨアナさん» こんな作品読んでくれる貴方も好きです〜!!w (2018年6月9日 20時) (レス) id: 9bae2d0ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゃがりこ | 作成日時:2018年3月21日 21時