【文スト】誘拐されました、助けてください。【中原中也】

Episode.０ ページ1

初めてAと会った場所は、太宰と任務を果たし、帰る途中で寄ったバーだった。





太宰はバーに入るなり、1人で座る女性の横に座り、


太宰「美しいお姉さん、私と心中してください！」


と云った。普通、こんなことをいきなり云われたらビビるだろうな。


俺はまァ、いつもの事だから慣れているが。




『あはは、無理ですよ』



太宰「…せめて、名前だけでも教えていただけませんか？…貴方は本当にお美しい」



太宰がそこまで云うなんて、珍しいな。

そう思い、太宰の席とひとつ離れた席に座り、チラッとその女性を見た。





＿＿＿本当に、綺麗だった。



『Aといいます。』



へェ、Aというのか。

太宰と同じことを思うのは嫌だが、俺もこんなに美しい女性を見たことはなかった。



くすくすと、太宰に微笑むA。

……可愛い、純粋に、そう思った。








＿＿＿俺は、Aに一目惚れした。



一目惚れなんて、本当にするモンなんだ、と、思い知らされた。






このまま放っておいたら、太宰に取られてしまうのではないか。





急に不安が沸いてきて。





こいつを、誰にも渡したくなくて。





そして、俺はあることを思いついた。









＿＿＿取られる前に、閉じ込めてしまえばいい。

Episode.１→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す