祭りの幕開け ページ28
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晴天。
祭典の幕開けにふさわしい天候の体育祭当日の朝、雄英高校の正門前にはメディア関係の報道陣が集まっていた。
空には体育祭の開幕を告げる号砲が打ち上げられ、学校行事らしく屋台がずらりと並ぶ雄英高校内も早くも賑わい始めている。
メディアも大注目のヒーロー科1年A組の控え室では、コスチューム着用不可というルールに従い、学校指定ジャージに着替えた生徒たちの姿があった。
静かに集中する者、緊張を滲ませる者、特に気負う風もなく普段通り友達と雑談している者など、勝負の前の過ごし方は人によってそれぞれである。
「緑谷」
もうすぐ入場というところで、焦凍が出久に声をかけた。
ふだん焦凍と話す機会などほとんどない出久である。
話さないどころか、周りとあまり関係を持とうとせず、周りを寄せ付けない雰囲気を常にまとっている焦凍からのアクションに、緊張した面持ちで出久が応じると、焦凍の要件は意外なことにも出久に対する宣戦布告であった。
おまえには勝つぞ、というまっすぐな物言いに、クラス内がざわついた。
そんななか面白くなさそうな顔をしているのは、もちろん勝己である。
すぐさま切島が仲裁に入るも、仲良しごっこじゃねえんだと焦凍は冷たく突き放す。
しかし、一方的に言われるままの出久ではなかった。
「皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で獲りに行く！」
「………おお」
短く返事をした焦凍は内心、出久が強く言い返してきたことが意外であった。
個性のコントロールもろくにできない、弱気な変なやつだと思っていたが、彼のなかにも一本通った芯があるらしい。
二人のやりとりを見ながら強く唇を噛み締めていた勝己を見かね、Aは思わずその肩にポンと手を置いた。
「…あ？なんだよ」
『や、怖い顔してたので…』
「フン。……おまえ人の心配なんかしやがって随分余裕だな？なんか成算があんのかよ？」
『さあ？なるようになりまあす』
言い合いが本質に触れる前にAは勝己から離れた。
いよいよ入場の時間である。
観客の熱気を包んだスタジアムが、まるで生きているかのように揺れている。
「群がれマスメディア！今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ！！？？」
プレゼント・マイクの勢いある実況が、スタジアムの空に炸裂した。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
