バス移動 ページ13
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「今日のヒーロー基礎学だが…」
チャイムが午後の始業を告げ、1年A組ではヒーロー基礎学の授業が始まった。
教壇に立っているのはイレイザーヘッドこと相澤消太で、レスキュー訓練を行う旨を淡々と伝えると、訓練場に移動するためバスに乗るよう指示を出した。
『人命救助かあ…。やー、いつ災害が起きてもおかしくないって日々思いながらほんとは生活してなきゃいけないんだろうけど、なかなか難しいよねぇ』
「そうですわね。起きるまでの対策も大切ですが、やはり大切なのは起きたあとにどう迅速に対応できるかだと思います。たとえば―――」
あ、やべ、なんか百ちゃんのスイッチ入れちゃったかな…とAは八百万百の熱弁に相槌を打ちながら密かに思った。
そこへ飯田学級委員長からバスに乗り込む際の整列に関する指示が入り、飯田飛ばしてんなあと思いつつも、A組の面々はその指示に従った。
『あ』
「……」
バスに乗り込み順々に座席に座って行くと、Aが座る2人掛けの座席に先に座っていたのは勝己だった。
こないだなかなかに小っ恥ずかしいことを面と向かって宣言してしまっただけに、何となく気まずさを感じていた勝己がよりによって隣である。
Aは隣に腰掛け、ばつが悪そうに静かにしていた。
バスが走り出すと、近くの席の者同士で話す者、仮眠をとる者、イヤホンをして音楽を聴く者などに過ごし方は分かれた。
せっかく隣に座れたのであるし、話しかけたいのは山々だったのだが、どうも前回の一件から勝己のそばにいると気が落ち着かないAである。
勝己は頬杖をついて外の景色を眺めているが、時折バスの揺れで肩が触れ合ったり、しまいには勝己の一挙一動に過敏に反応しすぎてしまうことに疲れ、Aは仕方なく目を閉じて寝ることにした。
意外にもバスの振動は心地よく、Aはほどなくしてスウスウと静かに寝息を立て始めた。
出久や切島、蛙吹はそれぞれの個性についての話で盛り上がっている。
「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな」
切島が言いながら後方に座っていた勝己の方に視線を向けると、勝己にもそれが聞こえたようで「ケッ」とだけ言ってそっぽを向いた。
勝己らしい無愛想な態度に思わず一同は苦笑したが、驚いたのは、勝己の隣の存在である。
「おい…！？見ろよA、爆豪の肩で寝てんぞ」
声を潜めて切島が言う。
同じことを思っていたようで、出久らも声には出さずに大きく何度も頷きを返した。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
