いちばん好きな人

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自由な発想で楽しく料理出来たらええかなって事でひらめいたのが、
捏ねたミンチを好きな形にして焼いてみよう！やった。

「家庭科実習みたいですね。大毅はなんの形なん？それ」

「任天堂スイッチ！」

「めっちゃ欲しいのんアピってるやん」

「ええぞ、大毅！なかなか上手やん。ちなみにソフトは何がええの？」

「スマブラ！先生知ってる？」

「コマーシャルで見た事あるよ。めっちゃ面白そうやなぁ」

「たぁ兄誕生日に買ってや」

えーっ！って、嫌がる大倉さんと大毅のやり取りがホンマ楽しいなぁ。

「わかった！ヤス先生、俺もこんな風にアピったらええんやね？」

「や、なんかちゃう気がしますよ、大倉さん」

あははと笑い合う。

「大倉さんのは、カメ？」

「ちょ、先生！星ですよっ」

「ふはは！見えへんかった、すんません」

「ヤス先生はなんなん？」

「ん、先生のはなぁー、ハート！実は中にチーズ入ってんねーん」

「えー！俺それ食べたいっ！」

「え、俺もそれがいい！」

「たぁ兄、自分で作ったらええやん！」

「お前はスイッチしとけって」

「ハンバーグやしっ！」

もう、会話バラバラ。

可笑しすぎるって。


考えてた副菜は汁物に変わってしまって、野菜たっぷりの味噌汁。
ハンバーグの付け合わせには、ネットで見たブロッコリーと人参を湯通しして、まぁええ感じ。

大倉さんも今日はご飯を炊くのを忘れず、あとはたくさん捏ねたミンチを焼くだけやった。

「余ったハンバーグは焼いて冷ましてからラップして、冷凍しといたら日持ちするんですって。朝にチンしてパンに挟んで食べるのもいいと思いますよ」

目玉焼きも焼いたら、お腹もいっぱいになるし。

俺の話を大倉さんがにこにこして聞いてくれている。

「じゃ、明日の朝はそれにします」

「はい」

「そや、大毅。先にお風呂入ってき。上がってきたらすぐご飯食べよう」

「わかったぁ！ヤス先生も一緒に入ろうや」

「え、俺っ？」

「ヤス先生も入って来て下さいよ。その方が帰ったら楽やし。ハンバーグは俺が責任持って焼き上げますから！」

なんなら泊まって行ってくださいよー、って。

この二人の勢い、最強やな。




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