perfect world 2

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「わぁ、レッサーパンダ立ってる！めっちゃかわいいっ！」



晴天に恵まれた動物園デート。

はしゃぐ 章 大 … 、ではなく、はしゃぐ 俺。


「しょーた！早よ見て！あ、こっち来たっ！」

「あは、風太くんやなくてコータくんやって。 ちょ、忠義 前行き過ぎやって」


柵の手前のスペースがちょうど空いてたから、車椅子を押して章 大を連れて来る。

「ちっかぁ。人懐っこいねんなぁ、ふふ、かわいいな」

そう言う章 大と同じ目の高さになるように屈んで顔を見合わせて笑う。


すると、小さな男の子が車椅子に触れて来て、

「たぁくん、お兄ちゃんのお椅子に触っちゃあかんよ。 ごめんなさいね」

その子のお母さんらしき人が謝って、男の子の手を引く。

「いやぁ、もっと見たいもんっ」

そう、駄々をこねる子に章 大が、


「たぁくん見える？こっちおいで？ここからの方がよう見えるよ」

優しく声を掛けて、場所を譲ってあげた。


お礼を言う親子に俺も会釈して、章 大の車椅子を押す。

「かわいいなぁ」

微笑む章 大。


「そや。忠義も たぁくんやなぁ」

「ほんまや。かわいい？」

「図体デカイけど、笑った顔はかわいい」

「ふはっ、なんやねんそれー」

「たぁくん、あっち行ってみよう。象のとこ」

「ちょ、恥ずかしいって」

「なんで？子供の頃そう呼ばれてなかったん？」

「呼ばれてたけどさ」

照れるやんっ。


「じゃ、やめる？」

「や、たまにやったらかまへん」

「ははっ、かまへんのかいっ」

「だって、章 大が言うの可愛いねんもん」

「それ！」

「え？」

「いっつも思うねんけど、かわいいって言うの禁止な。俺、めっちゃ恥ずかしいねん」

もうすぐ30やねんで？ って、上目遣いで睨むんがかわいいねんて。

「じゃあ、家でやったらいい？外では控えるし」

俺の提案に章 大が悩む。


「や、なんかそれ違うくない？」

「あ、象！」

「あ、ごまかした！」


もぉ って、怒るんもかわいいっ。



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