perfect world 2

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「 セミナー頑張ってるんやね」



「 え 、あっ、うん

てか、びっくりしたぁ」


次の講習まで少し時間が空くからとスタバで軽食を取りながら参考書を開いていたら、
仕事帰りらしいユイが話しかけて来た。


「 ふふ、本を読み耽るイケメンを見掛けたからこれは声掛けやなって」

「 なんやそれ。今帰りなん？」

「 うん。今日は定時やからね、どっかでご飯食べてから帰ろうかなって」

「 看護師って不規則やねんからちゃんとしたもん食わなあかんで」


そんな事を言う俺にユイは意外そうな顔して、


「 座ってもいい？」

「 えーよ。もうちょいしたら俺でるけど」

「 安田くんと待ち合わせなん？」

「いや、章大は今仕事で東京やから。会えん寂しい時間を勉強して乗り切ろうかと」

「 惚気ウザい 」

「 ふはっ。お前は？彼氏いんの？」

「うん、まぁ、あんま自慢できひんけど 」

「 ？ 」

「 たまたま好きになった人に妻子が居った、的な？」

「 あかんやつか 」

「 わかってるんやけどね、ほんま最低やねんけど … 」

「 そやな。
でも、自分でそれわかってるだけでもまだ救われるんとちゃう？
こんなんゆーたらあかんかも知れんけど。

ただ、誰かが不幸せになるならやめた方がいい。お前には幸せになって欲しいから 」


ユイはいい彼女やった。

時間のすれ違いで別れてしまったんやけど。


「 ありがとう … 」


微笑むユイに俺も笑って店内の壁時計を見る。


「 時間やし、俺行くわ」

「 うん、頑張って」

「 サンキュ 」

「 忠義 っ」

「 ？ 」


振り向く俺に、


「 また今度、ご飯行かへん？ってか、誘ってもいい？」


遠慮気味なユイの態度に俺は少し驚いて、

だけど、


「 や、章大が誤解したら嫌やしもう誘わんといて」

「 … ほんまに安田くんのこと大事なんやね」


「 うん。 めっちゃ愛してるん」


断言したら、

ほんま惚気ウザいってユイが笑った。



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