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「だから、今日あなたにお会いできて良かったです。一緒にいるお二人を見て、お似合いやと思ったから。
あ、ヤスくんにはちゃんと振られちゃいましたから安心して下さいね。
… でも、もし泣かせたら承知しませんから」
最後に にこりとそう断言した神山くんは、
今ではしっかりとしたベテラン看護師なんやと、俺は気持ちが温かくなりながら感心した。
その後、まだ時間があるからと神山くんは施設内を案内してくれて、
リハビリステーションに戻ったら、トレーニングを終えた章 大が待ってくれていた。
「おかえり。
神山くん、ええ子やろ?何話してたん?」
にこりと微笑む章 大と同じ目線まで近付いて、周りのことも気にせず章 大を抱き締めた。
「た、忠義 っ?」
驚く章 大に、ちょっとだけこうさせて って耳元で伝える。
「 … どしたん ?」
優しく問いながら、ゆっくりと背中を撫でる章 大の手が心地いい。
章 大が好き。
好きや。
改めてそう思う。
「 … ありがと。 まぁ、章 大のこと悲しませたら許さん的な?」
章 大の瞳を覗いて、悪戯げに笑う。
「 え!
付き合ってること言うたんっ?」
あまりの驚きに俺の方がびっくりして、
「や、俺やない!章 大の態度で気付いてたって … 」
言い訳みたいなこと言うてる?
ちょっと心配になったけど、
「そっかぁ。やっぱわかってしまうんやなー 」
そう言って破顔する章 大に安心した。
「俺はめっちゃ嬉しかったけど … 」
「 え? 」
「だって、章 大は俺のやって言い触らしたいくらいやねんで? 俺 」
「 … もう、どんだけ独占欲強いねん」
照れた風にぼそりと呟く章 大に、俺は微笑みながらゆっくりと車椅子を押し出す。
「だって章 大のことめちゃくちゃ好きやねんもん」
「 …… 知ってるし」
「ふふ、章 大 は?」
「 … 知ってるやろ?」
「うん。めっちゃ知ってるよー」
「 … 好き 、やで 。
た 、忠義 っ? 」
突然 、車椅子を停めた俺に不安そうな表情を浮かべた章 大が振り向く。
上目遣いの眼差しに可愛さしかない。
「めっちゃキスしたい。 いい?」
「ここでっ!? あかんに決まってるやろ!」
「ちょ、声デカいって章 大 」
誰のせいなんっ? て、怒る章 大の車椅子を苦笑しながら再び押して、
「車の中ならいい?家まで待てへんわ」
「 … なら、早よ会計済ませるからロビー向かって」
「うん!」
章 大もおんなじ気持ちなん、嬉しい。
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chugi(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» いつもありがとうございます^ ^ 遅筆なのが申し訳ないのですが、待っていて下さる人の有り難みがひしひしと伝わっております。あったかいv まだまだ続きますのでまたお越し下さい(*^^*) (2020年4月2日 20時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
mayufujiyoutomo(プロフ) - 更新楽しみにしてました。これから先どんな展開なのか・・・ドキドキワクワクします。 (2020年4月2日 0時) (レス) id: e94c7fe551 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - みさん» くらやすさんの好き好きがお伝え出来たのであればムフフv でございます^ ^ もうすぐ別展開が起こりますので暫しお待ちを! (2020年3月11日 7時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - はわわわ、2人のやり取りがほんとにきゅんきゅんきます!!! (2020年3月11日 3時) (レス) id: ac9357cec1 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - みさん» リアルでも倉安さんくらやす過ぎて幸せですよね^ ^ ありがとうございますv まだまだ盛り上がっていきましょーv! (2020年2月20日 7時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chugi | 作成日時:2019年10月27日 11時