鈍感ばか ページ5
壱馬side.
俺が、Aに、嫌われたくない?
そんな…わけ、
嫌われるのなんて、慣れてる
昔も、今も
本気でぶつかり合えてるのなんて
北人と翔吾くらいなのに
俺の表の顔を見て、好きだの憧れてるだのほざいた奴らは
少しでも裏の顔を見せると
そんなだと思わなかった
と、俺を拒絶して軽蔑した
だから、慣れてんだよ
人から嫌われるのなんて
なのに…
北「そろそろ、殻破ってもいい頃なんじゃない?」
壱「殻破る…って、Aは俺にとってそんな、」
北「俺と2人でいるって知って、ここに来ちゃうくらい…大事なんでしょ」
壱「…、」
北「大切なんでしょ。とられたくないんでしょ。だったら、玩具だからなんてくだらない理由じゃなくて、もっとちゃんとした気持ち、あるでしょ?」
壱「…気持ち?」
北「壱馬は捨てたって言ってるけど…ずっとここにあるんだろ」
とん…、と俺の胸を拳で押して
いつもの柔らかい顔で笑う
俺のちゃんとした気持ち、ってなんだよ
あいつは俺の玩具で
それ以上でも以下でもなくて
でも、だとしたらなんで
俺はあいつのためにこんなに必死にならなきゃいけなかった?
過去に染められそうになった時
どうしてAの顔が、Aの声が浮かんできた?
壱「…あ゛ぁ゛〜っ!!もう訳わかんねぇ!!」
北「ほんと、ばかだねぇ」
壱「お前に言われたくねぇ。とにかく、Aにキスしたこと一生許さねぇかんな」
北「なんで?」
壱「あいつは、Aは俺のだから」
北「ふっ…、ふふ、うん、そうだね」
…気持ちわりぃな
なに面白がってんだよ、腹黒野郎
むかつくから
肩を拳で少し強めに殴って
Aを探しに行った
北「…鈍感ばか」
北人の呟きは俺に届かずに消えた
とりあえずAが走っていった方に向かう
あいつのことだからそんなに遠くには行ってないはず
しかもバカ正直で素直だから
曲がり道なんてしないはず
そう信じてまっすぐ、
ただまっすぐ走ってたら
暗くなった道路を照らす1本の街灯の下にAは立ってた
…ほんとにまっすぐ走ってきたのかよ
思わず笑みがこぼれて、何故か胸が温かくなる
…こんな気持ちになるの、お前だけだよ
壱「…A」
びくっと肩を揺らして
ゆっくりと振り返ったAの顔は
灯りで照らされた涙が光ってた
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美憂(プロフ) - 超楽しかった。最近ランペにハマり始めてましてる私にとってはニヤニヤしながら読みました!続きももちろん読みます! (2020年9月22日 10時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - すっごく面白かったです!!俺様壱馬くん最高です!!キュンキュンしっぱなしでした!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: 26fdb241fb (このIDを非表示/違反報告)
ほくちゃん(プロフ) - このおはなし大好きです(^^)迷子の男の子、息子と同じ名前でめちゃめちゃびっくりしました!!そして勝手に嬉しくなりました! (2019年7月24日 23時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
プリン - めっちゃ面白かったです!1番好きなのは北ちゃんとかずま君が取り合ってるところです!!ホントにサイコ―でした!!これからも新しいお話作ってください!!応援しています!!! (2019年7月22日 20時) (レス) id: 1bd7c0e833 (このIDを非表示/違反報告)
RMPGLOVE - めっちゃ泣けました。本当に感動しました!!!! (2019年3月3日 10時) (レス) id: 62ace1acba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2018年8月28日 18時