アソビゴコロ３【川村壱馬】

浮き輪 ページ21

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壱馬先輩に繋がれてる手を見て
嬉しくてずっと口角が上がってる

すれ違う人、何人か壱馬先輩のこと
あっ…っていう顔して見るけど
隣にいるわたしを見て残念そうにしてる

こんな奴が壱馬先輩の隣にいてごめんなさいって思うと同時にちょっとだけ優越感もあったり…






壱｢空気入れるとこってどこ？｣


『え…わかんな、』


翔｢あれ、待っとってって言ったのに｣


北｢見て〜。パンパンになったよ｣


『わぁ、ほんとだ！』


壱｢お前らなぁ、｣


翔｢ごめんて、笑 大丈夫やったやろ？｣






運良く会えた岩谷先輩たち
会えた瞬間に手離れちゃった、

2人は空気を入れた浮き輪持って行く気満々

早く行こって急かす吉野先輩について行って
来たのは流れるプール

みんな浮き輪持ってるなあ…
浮き輪ないと溺れちゃうのかな

どうしようかなあって考えてたら
岩谷先輩が横に来て 使う？ って






『えっ、これ岩谷先輩のだし…』


翔｢やから、一緒に使お！｣


『一緒…？』


翔｢きゅまちゃんが中に入って、俺は後ろからしがみつく笑｣


『そんなの大変ですよ！わたし勝手に流れるから岩谷先輩はひとりで…』






ひとりで使ってくださいって言おうとした時
後ろからひょいって伸びてきた手が浮き輪を取った

振り返る前にすぽ！って浮き輪に入れられて
状況を確認する前に聞こえてきた声






壱｢翔吾、北人が一緒に入ろうって｣


翔｢いや、俺はきゅまちゃんがええ｣


壱｢…Aは俺と｣






小さく呟いたのを聞いた岩谷先輩は
ふふっとおもしろそうに笑って
わかった って吉野先輩の方へ向かった

わたしたちを待ってた吉野先輩は
浮き輪にしがみついてきた岩谷先輩を怪訝な顔で見てたけど
ちょっとお話した後に楽しそうに笑ってた






『あの、壱馬先輩…』


壱｢お前さ、もうちょい前行って｣


『前…？』






言われるがままに行けるだけ前に行くと
んしょ…という声と共に浮き輪が少し持ち上がった

なんだろって思ったら
背中に人肌を感じた

びっくりして振り返ろうとしたら
信じられないくらい近くに壱馬先輩がいた
なんでかって、浮き輪に入ってたから

大きめの浮き輪ではあるけど
絶対2人用じゃない
み、密着しすぎててむり…！






『か、ずま先輩…！わたし出ます…っ』


壱｢なんで？俺が連れてってやるよ｣






背筋が ぞわ… ってした
その瞬間軽々とわたしを持ち上げてプールに入っていった




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