アソビゴコロ 〜Wedding？〜８【川村壱馬】

知ってた ページ33

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壱｢あー…くっそ、また死んだ｣


『…これ、わたし邪魔じゃないんですか？』


壱｢あ？誰も邪魔なんて言ってねぇ｣


『…はーい』






土曜日、帰ってくるや否や
好きなゲームの新作をプレイし出した壱馬先輩
水曜日に届いてて
連絡したらすごい喜んでたなぁ

ソファに座って
足の間にわたしを座らせて
壱馬先輩のプレイを見ている状態

どうやら難しいらしく
なかなかうまくいかずにちょっとイラつき出してる

わたしの頭邪魔じゃないのかなって思って聞いてみたのに
全然わたしをどかす様子はない

それどころか逃がさないとばかりに
足がわたしに絡みついている


特に会話はないけど
壱馬先輩の体温が伝わってきて心地いい
ちょっと眠たい…けど
野木さんのこと話さなくっちゃ






『壱馬先輩？』


壱｢んー｣


『あのね、大学で…』


壱｢野木に会った？｣


『そう、会って…え！？』


壱｢わっ、！？お前急にこっち見んな、あぁぁ死ぬ！｣






ゲームの画面を見るとご丁寧にGAME OVERと表示されていた
ごめんなさい、と思いながらも
野木さんがいたことを知ってた事実に驚きすぎて声が出ない






壱｢なんか言われた？｣


『や、あの…』


壱｢もしかして、これ？｣






若干痕になってしまった手首に触れて
少し怒ったように聞いてきた

何も答えずにいると
小さくため息をついて
痕に口付けをした

びっくりしすぎて固まってると
ゲーム機を置いてやんわりとわたしの腰を引き寄せた






壱｢近くにいるの嫌だろうけど、もうあいつはお前に何も出来ないから｣


『な、んで…？』


壱｢俺がやめろって言ったから｣


『そんな簡単に…っ、』


壱｢守るって言っただろ｣


『どうして、野木さんのこと知ってたんですか…？』


壱｢翔吾に聞いた。入学してくる時から知ってた。でも言う必要ないと思って言ってなかった。それだけ｣


『そんな、』


壱｢実際今まで何もしてこなかったろ。同じ大学にいるってだけでお前怖がりそうだったから｣






う…、と何も言い返せなかった
だけど黙ってるなんて、何か、何か…






壱｢…何その顔、もしかして怒ってんの｣


『怒ってないです…』


壱｢怒ってんだろ。お前機嫌悪くなると目合わせねぇから｣


『ほら、目合った！』


壱｢ガキ…｣






わたしのために黙っててくれたのわかってる
壱馬先輩はいつだってわたしのこと守ろうとしてくれるのもわかってる




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