どちらからともなく ページ10
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『どういう意味…？』
理解できないわたしがバカなのか？
そりゃ先生にはなりたいし
できれば母校に行きたいけど…
星羽くんは難しいこと言うなぁ
星羽くんが歩いて行った道を見つめながら
言葉の意味を考えてた
そしたら、いきなりぶつかるように誰かがわたしのことを後ろから抱きしめた
びっくりしすぎて声を出しそうになったけど
鼻をかすめる大好きなにおいに息が止まった
息を切らしながら 見つけた… と声を出す
え、あれ？
わたし今から会いに行こうと思ってたのに
どうしてこんなとこにいるの？
抱きしめる腕は汗ばんでて
走ったのかな、なんて思って
声が出なくて、振り向けなくて
涙だけが滲んできて
A、Aって
大好きな声で
大好きな呼び方で
繰り返し繰り返し
痛いくらいに抱きしめながら
呼び続けてくれる
『かずま…せんっ、ぱい…？』
壱｢…なんだ、声出るんやん｣
『しょ…っ、お…ぎ、話…して…っ、かじゅ、…ぱい、ぷれ…っ、ぜ…っ』
壱｢…ふは、何言ってんのか全然分かんねぇー…｣
ちゃんと話したいのに
涙が邪魔して何も話せない
だから顔見て、壱馬先輩のこと感じたいのに
強い力で抱きしめられてるから振り向けない
壱｢…こっち見んな｣
『な…っ、で…』
壱｢…今、かっこ悪ぃから｣
その時、ポタ…とうなじに何かが垂れた
こんなに汗かいてるから
汗かとも思ったんだけど
小さい震えた声で確信した
壱馬先輩、泣いてるの？
壱｢…、おま…っ！｣
無理やり グイッ て振り向いて
涙を流してる壱馬先輩の頬を包んで
言葉が出ない分の想いを伝えようと
壱馬先輩にキスをした
これだけで、伝わるはず
もう言葉じゃなくても、伝わるはず
ゆっくりと唇を離すと
壱馬先輩は瞳を潤ませながら ふっ… と笑って
壱｢…下手くそ｣
と言って、深い口付けをした
それだけで、これだけで
わたしの心は一瞬で満たされる
消えたかった時間も
苦しかった時間も
そんなの全て嘘だったと思えるくらい
幸せで溢れてくる
好き、好き、大好き
やっぱりわたし壱馬先輩しかいらないよ
壱馬先輩がいてくれればそれでいい
『…壱馬先輩？』
壱｢…ん？｣
『おかえり、なさい』
壱｢…うん、ただいま｣
どちらからともなく手を繋いで
2人で、家に帰った
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (
レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー（ ; ; ） (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー！！色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか？？ (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2020年5月3日 17時
