根暗で ページ40
.
数日後
この前玲於にとられちゃったから
って、今度こそ亜嵐くんの練習を見に行くことになった
もうそろそろ12月になる
今日の亜嵐くんの練習は午後からで
午前中は2人でゆっくり過ごしてた
亜嵐くんが好きなマンガ読んだり、それはもうゆっくり
そろそろ出なきゃ、って時に
亜嵐くんが不意にマフラーつけてくれて
見上げてみたら、目を細めて笑ってわたしを見てた
亜｢今日寒いから｣
『ありがと…』
人のものを身につけること
それが少し照れくさくて鼻までマフラーで隠した
そしたらほんの少しだけ亜嵐くんの香りがして
慌ててマフラーから鼻を出した
玄関で靴を履いてた時
亜嵐くんが隣で あれ と声を出す
亜｢俺スマホどこやった？｣
『さっき充電してたけど…』
亜｢うわ、挿しっぱだー｣
一度履いた靴を脱いで自分の部屋に戻る亜嵐くんが見えなくなった時
バタン！と大きなドアを閉める音が聞こえた
バタバタ、走る音
この騒がしさは…佐野さん？
玲｢あっ、おい！｣
『どうかし…、』
玄関に座ったまま
顔だけ佐野さんの方に向けたら
走ってきた勢いのまま肩を ガッ！ と掴んで
うれしそうに笑った
玲｢涼太くん！｣
『涼太くん？』
玲｢新作のデザート、店に出してみるかって言われたって！｣
『え…、え！？すごい！』
玲｢おれ、涼太くんなら絶対大丈夫って思って…｣
『うん。龍友くんもずっと心配してたし、ほんとよかった』
玲｢おれは…ほら、Aが背中押してくれたから。涼太くんのことはおれが背中押さないとって思ってて…｣
『…そ、か』
…びっくりした
佐野さんに名前で呼ばれたこと、なかったのに
佐野さんは何ともない顔してる
相変わらずうれしそうに笑ってるの
亜｢おーい、玲於さん。なにしてんの｣
玲｢亜嵐くんにはないしょ｣
亜｢いやいや、なんで笑｣
玲｢つーか、これ亜嵐くんの？根明菌つくからとれよ｣
ねあかきん…？
佐野さんの言葉に顔をしかめてたら
いきなり抱きしめるみたいに腕を回してきた
『佐野さ…っ？』
亜嵐くんの前で何を…！と思ってたら
ほのかに香ってた亜嵐くんの匂いがなくなると共に
首元が寒くなった
亜｢あっ、なんで取んだよ！｣
玲｢Aが根明になる。いいんだよ、こいつはメンディーとおんなじ根暗で｣
佐野さん、いきなり変なことしてくるから
勝手にドキドキして嫌になる
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 862人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かれん - 更新される度めちゃくちゃドキドキしながら読んでます！！！DREAMERSのMVに合わせてるからイメージがめちゃくちゃ湧いて想像しやすくなってるし読みやすいうえにキュンキュンして面白いなんて本当にれもんさん最高すぎます(;_;)更新頑張ってください！！ (2019年12月25日 13時) (
レス) id: 53557cb99f (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - 今読んでる中で一番好きです(;_;)更新楽しみにしています！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 877e115ef9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品、今更新されてたら嬉しいやつナンバーワンです！笑忙しいとおもいますが、更新頑張ってください！ (2019年12月16日 19時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)
ぐーりん(プロフ) - 初めまして！こういう作品待ってたんです…最高すぎて大好きすぎます！更新楽しみに待ってます、がんばってください！ (2019年11月15日 11時) (レス) id: 28842cd990 (このIDを非表示/違反報告)
はいこ(プロフ) - うわぁ、、好きです、最高です....！更新楽しみです！ (2019年11月6日 4時) (レス) id: 9cb57260f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れもん
| 作成日時：2019年9月9日 17時
